世界観の解説 舞台、用語編

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世界観の解説 舞台、用語編

どうも。作者です。

今回は完全に個人の戯れ言です。

普段の私の話は主に短編です。それ故に、キャラクターにはあまり焦点をあてておりません。話の筋を楽しんでいただきたいからです。

しかし最近、産み出したキャラクターをこのまま使わないのはどこか虚しく思い、一回おもいっきり動かしてみようかと思いました。

少し前から長編の構成を考え、やっと投稿することができました。皆さんの評価は様々だと思いますが、これは予想以上に楽しい体験になりました。

この長編は、今までの私の短編を楽しんできた人によっては面白くないかもしれません。その人達のためにも、短編は短編で続けていきます。ですが、長編が混ざる事が増えるかもしれません。その時は生暖かい目で見ていただけると幸いです。当たり前ですが、全力で書いていますので。

長編には話の筋もそうですが、キャラクターと世界観も非常に重要だと考えています。

そのため、今回は物語の世界観や用語、さらに登場キャラクターの設定の解説をしてゆきたいと思います。これを見た後に、長編を読むとより楽しむ事が出来ると思いますので、どうかよろしく。

舞台及び世界観の解説

物語の舞台は、私達が生きている世界そのものです。決して異世界ではありません。日本‥あなたたちが住んでいるこの世界が舞台です。

しかし、それは人間の存在する世界の話です。

私は私達が暮らしている世界を「現実世界」と呼ぶことにしています。因みに、幽霊はこの現実世界に出現します。というか、現実の怖い話だって幽霊は私達の世界に現れるでしょう?それと同じです。大体の異変はこの現実世界で起こります。余談ですが、私の短編はこの現実世界で起こったかもしれない話です。

現実世界とは別に、「冥界」と呼ぶ世界が存在します。冥界は人間が死んだ後、魂が向かう世界です。天国とか地獄とか、それを想像してください。この「冥界」では、「ルール」とか「役割」が絶対とされています。その理由は後程説明しますが、死者の世界にとってルールは何よりも必要なのです。

この冥界の役割は、死んだ人の魂を出来るだけ管理すること。また、幽霊や妖怪が現実世界での出来事に介入するのを防ぐ事です。

そもそも、幽霊とはなんでしょうか。恨みを持って死んだ人間が化けて出るもの、というのが一般的な解釈だと思います。

ですが不思議に思いませんか?恨みを持って死んだ人間は今も昔も山のようにいます。それに、恨まれている人が幽霊に復讐されたのはほんのわずかです。

その疑問に答えを出すために、自分は「霊力」という物を定義しました。

人間には様々な気持ち、情念、想いがあります。それが余りにも強い場合、死んでも恨みをはらしたいという強い気持ちが核となり、それが霊力となり、この霊力の強さによって幽霊の強さが決定されます。勿論恨みの念が強くなれば、霊力も強くなっていきます。

この霊力が強ければ強いほど、出来ることは大きくなります。

一例を挙げると、なんとなく人間に自分の気配を感じさせることは霊力が低くてもできますが、実際に人間を呪い殺したり、不幸なめに合わせたりするには、相当な霊力が必要となります。

この霊力は幽霊が何か行動したり、術を使ったりする度に消費されていきます。幽霊が私達にずっと姿を見せることが出来ないのもこれで説明が出来ます。これが完全に消費されてしまうと幽霊の存在そのものが維持出来なくなってしまい、消滅してしまうため幽霊にとっては大変危険です。俗に言う成仏です。幽霊が恨みをはらして成仏するのは、皮肉にもこれで説明ができてしまいました。霊力は幽霊が何もしなければ自然に回復していきますので、自然消滅というのは余り聞きません。

では、霊力はどうやったら強くなるのでしょうか。一つは幽霊として長く存在し続ける事です。そもそも幽霊というのは負のエネルギーの塊です。その場に存在するだけで、負のエネルギーを産み出し続けるのです。つまり、長く幽霊であればあるほど、そしてなにもしなければしないほど、どんどん霊力は貯まって強くなってゆきます。

次に、死んだときの恨みが強すぎる事。そしてそれを持ち続ける事。幽霊が行動で霊力を消費しても、それを有り余るスピードでエネルギーを作り続ければ、結果として霊力は増加し強くなっていきます。

では、霊力が強い霊は何でも出来るのでしょうか?それはあり得ません。もしそうなら、人間の世界はとっくの昔に消えているでしょう。

ここで必要なのが、「理由」です。

そもそも幽霊なんて、それだけでもイレギュラーな存在です。死んでいるのですから、この世に存在するわけがありません。

「怪異には必ず理由がある」という有名な台詞がありますが、まさにその通りなのです。

そのイレギュラーをこの世に出現させるためには、そのイレギュラーをねじ曲げるだけの「理由」が必要なのです。

簡単な例を出しましょう。ある男に女が殺されたとします。女は男を恨むあまり、幽霊になって復讐しようと考え、結果として男を呪い殺し、それを成功させました。

こんな怪談は山のようにあるでしょうが、何も不思議に思いません。「殺された男に恨みを晴らす」ことがこの幽霊を存在させる理由となり、霊力を強くさせます。

では、「この男ではなく、その男の会社の上司のいとこを殺そうとした」としたらどうでしょう?意味不明です。そのいとこが女性に呪われる理由は何もありません。この場合、霊力は非常に弱いものとなり、大したことのない幽霊になります。つまり何もできません。なんなら霊力を作ることすら不可能に近いでしょう。理由がないんですから。この誓約の事を私は「ルール」と読んでいます

これが、幽霊が私達全ての人間に影響を及ぼせない理由なのです。簡単でしょう?

逆に、誰彼構わず呪い殺す力を最初から持っている霊は、それだけ最初から凄まじい霊力を持っているといえます。だから、私達も不用意に心霊スポットなどには近寄ってはいけないのです。

危ないですからね。

最初に私が説明した、「冥界」は「ルールが絶対」の理由もおわかりでしょうか?

彼らは強大な力を持つ幽霊に対処しなければなりません。そして、彼らもまたこの世ならざる存在であり、力を使うための「ルール」に縛られています。なまじっか霊力を持っているだけ、その維持は大変なものです。ルールを破れば、存在は消えてしまうでしょう。また、「役割」がルールの代わりになっている場合もあります。魂を回収しない死神とか、恨みを晴らしたのにこの世に残り続けている霊などは「役割」を放棄したとみなされ、即座に消滅してしまいます。そういった世界です。

世界観を解説したら中々の量になってしまいました。登場キャラクター紹介は次の話にしましょう。読んでくれてありがとうございました!どうぞ今まで、そして、これからの物語を楽しんでください!

Concrete
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