中編2
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劇場は危険

劇場は危険である。これはある劇団に起きた話だ。

これと言って売れているわけでもないが生活に困窮するわけでもない劇団であった。都会の大舞台を目指し地方で修行中の最中、おかしなことが立て続けに起きた。

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ある地方で公演をした時は急に照明が落ちたし、またある地方ではステージの床が抜けた。極め付けは控え室で眠るときに必ず誰かしらが歩いているのだ。団員は少数だったため、全員で一部屋で寝ていたがみんなその歩いている何かを認識していた。

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ある日、団長が「おれが毎夜やってくる人影をやっつけてやる」と言い出した。団員は止めたが、団長は数珠やらお札やらを通販で取り寄せその気になってしまっていた。

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別の地方公演の後、いつものように控え室でみんな眠ろうと布団に入った。団長だけ座禅を組み結界らしきものを貼り手を合わせていた。団員は布団に潜りながらその様子を見守った。いつもの人影が来るのを布団の中で見ていた。しかし誰も何も現れなかった。

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翌朝「ほらな!おれの結界が強かったからだ!みんなもそう思うよな!」とみんなの方を振り向いた。

「そうですそうです!その通りです。さすが団長、勇敢でやっぱり僕たちのリーダーだ!」と団員は口々に褒め称えた。みんな満面の笑顔だった。

団長もまんざらではなくなり「おう、なんでもおれに任せとけ!」と言った。

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急にパッと団員たちは真顔になり「それ本当ですか?」と静かだが重い口調で言った。

団長は多少戸惑いながらも「ああ、本当だとも」

「じゃあじゃあですよ?」

「おう、何でも言ってみろ」

「いいですか?本当にほんっとうに言いますよ?」

「いいから早く言ってみろ!」

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「じゃあ、さっきから僕たちの足にまとわりついているこいつらどうにかして下さいよ!」

団長はみんなの足元を見たが何も見えなかった。

「おいおい脅かすなよ。何もいないじゃないか。」

「ははは、ははっはははは」団員は一斉に笑い出した。

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「今度は何だ。ドッキリはこりごりだ。」

「ははははははははは」

団長は何も声が出なかった。団員は引き続き笑う。しかしそこに団長の声はない。もう死んでるのだから。団員が笑い続けている理由?それは団長が真に見事なダンスを披露していたから。

まるで団長は紐吊りピエロのように踊り続けた。黒い何かに操られながら

Concrete
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