短編2
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逃げないで

札幌市に住む若い男女が退屈しのぎに

夜のドライブに出掛けていました

セダンの乗用車に

運転手の男の子

助手席に女の子

後部座席に男女1名づつの4人

札幌から夜中にドライブする時の定番は

肝試し的に心霊スポットである

支笏湖沿いを走るという事になり

南区常磐からポロピナイ峠を越え

支笏湖湖畔を走る道路へと出た

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すると急に

助手席の女の子が

シクシク

シクシク

と泣き出したのだ

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運転手の男の子は左手にある

細長い湖畔の駐車場に車を停め

「どうしたの?」

「なんで泣いているの?」

と聞いてみたが

女の子は首を振るだけで答えてくれない

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後ろの2人も加わり

どうして泣いているのか理由を教えてよ

と食い下がると

女の子は

「言わない」

「なんで?」

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「言うとみんな逃げちゃうから…」

と言い出した

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「絶対に逃げないから

なんで泣いているか教えてよ」

と言うと

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女の子は

「本当に逃げない?」

と再度確認してきたので

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3人は口を揃えて

「絶対に逃げないから大丈夫だよ」

と約束した

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すると女の子は

シクシク

シクシク

と泣きながら

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自分の足元を指さすのだ

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shake

ガシッ!!

車の床から二本の青白い腕が

彼女の両足をしっかりと掴んでいるではないか!

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shake

「ぎゃーーーー!」

shake

「うわぁぁぁー!」

shake

「キャーーーー!」

shake

3人は一目散に車から飛び出し

車の後方に走り出したのだ

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「逃げないでー!」

と泣き叫ぶ彼女一人を残して

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100mほど逃げだしてしまったのだろうか

ふと『逃げない』と約束した事を思い出した3人は

恐怖によるパニックと

彼女を置き去りにした罪悪感から

恐る恐ると

車に戻ることにしたのだ

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彼女の姿は無かった

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翌朝

若い女性の水死体が打ち上げられていた

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