第弐記 軟禁コースター 午前ノ真野シリーズ

長編14
  • 表示切替
  • 使い方

第弐記 軟禁コースター 午前ノ真野シリーズ

wallpaper:126

私の自宅のチャイムが鳴る、

ピンポーン。ピンッポーン。

ピポピポピポピポピポピポピポ

ピポ・・・・・・・・。

心から溢れ出す怒りの噴水を慈悲というコルクで塞ぎつつ

自宅アパートの玄関を開ける。

「やっほー!真野ちゃん、遊びに来たよー。」

モグだ。私に合うのを楽しみにしてた

かのように、まばゆい笑顔を見せ

まだ玄関のチャイムを鳴らしている。

「やめろ!!チャイムが壊れる!」

モグが素直にチャイムを鳴らす指を止めた。

wallpaper:4980

私は昭和レトロチックなアパート

「横丁ハイツ」の二階に住んでいる。

間取りはワンルームで家賃が3万円、

大家さんはとても穏やかなおばちゃんで

私のことを娘か孫のように接してくれる。

そしてモグを居間に通すと開口一番、

モグが何かを取り出した。

「みてみて、このチラシ!」

私のコタツ付きちゃぶ台にチラシを広げた、

手に取ってチラシを見てみると、

wallpaper:4002

『真夜中ゆうえんち開園!!普段と違う

ゆうえんちを体感してみませんか?

夜のミステリアスな雰囲気と光輝く

イルミネーション、闇夜のジェットコースターは

スリル満点!!ぜひ、真夜中ゆうえんちに

お越しください。OPEN,pm18:00.CLOUSE,am2:20』

と書いてある、割引券付きだ。

「ねぇねぇ、面白そうじゃない?」

 

私は即座に

「却下。」

「なんでよー。」

とモグが怪訝そうに言う。

「まず、女二人で夜に出歩きたくない、

次にゆうえんちに興味がない。

そしてもう一つ、真理として家から出るのがめんど…」

私の話が終わらないうちに、

「早く準備して、行くよ?」

「・・・・。」

wallpaper:3178

私の自家用車で目的地に向かう。

車はパステルカラーの水色で車高が低い、

前のライトの横にキズを隠す塗料が3か所、

後ろの扉には小さいへこみがある。

走行距離は10万キロを少し越した。長年愛用している車だ。

「ふん♪ふん♪ふん♪」

モグは上機嫌だ。

なんだ、私はお前の彼氏か?私、女だぞ!?

と心の中でいろいろつぶやく。

私たちが住んでいるのは田舎なので夜は人っ子一人いない。

アスファルトで舗装された大きい道路が一本あり

水銀灯が所々で道路を照らしているが、なんだか寂しい。

その寂しさを紛らわせるように音楽を流しながら運転をしている。

目的地の、その真夜中ゆうえんちは

車で約1時間くらいの場所にある。

wallpaper:1877

途中でファミリーレストランに立ち寄った、夕食もかねて時間つぶしだ。

なんでもモグは、深夜にジェットコースターに乗ってみたいらしい。

その真夜中ゆうえんちの名物

なんだとか。

現在時刻、pm20:30。

ファミレスの働いている人たちには悪いが、

ドリンクバーを頼んで長居をさせてもらった。

私は支払いの際、謝罪と感謝を込めて「ごちそうさまでした」

と告げ、車のエンジンをかける。

多分、一時間半は潰せたか?

ゆうえんちの到着予定時間は

ざっと22:30くらい?

あー、その時間は私がお布団に

入るという至福の時間だ。

お布団が恋しい。

まぁ昼間も一日中寝ているから眠気はないけど、

今流行りのルーティーンを考えると寝たい!

「着いたら最初に何に乗るの?」

「んー、まずはコーヒーカップ!きっと綺麗だよー、そのあとは…」

モグなりの乗り物計画があるようだ。

早く帰るためにも順番を記憶する。

wallpaper:3178

「んで、最後に夜中の2時にジェットコースターに乗ろ!」

ふむふむ、--------------ん!?

夜中の2時!?

私の貴重な睡眠時間が奪われていく!

なんということだ!!

それまでゆうえんちに居なくてはならない!

ああぁ。

心のなかで落胆の声が溢れ出す。

これは○○ハラスメントにはならないのか?

モグは呑気に話を続けている。

そのゆうえんちは近くに沼があり、

昼間は隣接している公園で人々の憩いの場となっているらしい。

「んで、夜はホラースポットになってるらしいよ?」

「へぇ、そうなの。」

------------------んッ?!

「今、何て言った?」

「ん?夜はホラースポット…」

「おい!話が違うだろう!何でまたそんなところに行くんだ!!」

「今スマホで調べたらそう書いてあったんだもんン!」

だもんって・・・・。

「・・・まぁ今回はゆうえんちが目的なんだよね?」

「もち!イルミネーションとかきれいなんだろうなぁ」

目がキラキラだ。

まぁ、深く触れなければ大丈夫だろう。

車が進むと、なだらかな丘のある丘陵地帯に入り、

辺りは重量があるように思わせるくらい真っ暗だ。

すると、遠くでひと際にぎやかなところが見える、

イルミネーションの光だろう、少しずつ近づいてきた。

wallpaper:649

「あ!ゆうえんち見えた!!綺麗。」

モグが幼い子供の様に興奮している。

道中も「あと信号何個数えたらつく?」と聞いてきたので

「あと500個数えたらつくよ」と言ってやった、

するとムンクのような顔になった。

この子は本当に表情の種類豊富だ。

そんなこんなで真夜中ゆうえんちの駐車場へ到着した。

周りを見てると、意外と車が止まっている、

それなりに人気があるようだ。

「早く、早く行こう!!」

車を降りるとモグは私の腕を強く引っ張る。

顔を見ると本当にうれしそうだ、まぁ、連れてきたかいがあるな。

入園口で料金表を見た。通常料金だと

大人2800円、子供は2300円。

ワンデーパスポートだと大人1500円、子供1000円だ。

私たちはワンデーパスポートを買い、

更に割引券があるのでかかった料金は900円だ。

「今夜はご来園ありがとうございます。

ゆっくり楽しんできてくださいね」

「はーい!いってきまーす」

何気なくマノとチケット売り場の女性従業員との

やり取りを見ていてギョッとした。

wallpaper:532

透明なアクリル板の向こうの女性従業員は笑顔なのだが、

目が吸い込まれるくらいに真っ黒なのだ、白目の部分まで黒い。

ヴィジュアル系の格好をしている人の中で

こんな感じのカラーコンタクトをしている人は見たことはあるがその比ではない。

蛍光灯の光が反射していないまるで深い穴が

ぽっかり空いているかのようだ。

wallpaper:4002

「ほら、早く早く!」

モグに急かされ、チケット売り場を後にしたーーーー。

ゆうえんちの佇まいは古くはないけれど昔懐かしい感じがする。

パンフレットにはコーヒーカップ・メリーゴーランド・観覧車・

バイキングなどなどアトラクションは小さいのも含め、23種類もある。

地図を見ると、この遊園地の周りには少し大きめな丘と

沼があり小さな公園がある、休憩にはもってこいの場所だ。

「よーし、回すぞー!!」

はっ!気が付いたらコーヒーカップに乗っていた。

ぶーーっとブザー音が鳴りピンクのパステルカラーの

コーヒーカップがゆっくり動き出す。

「ひゃっほーーい♪」

モグが勢いよく私たちの乗っているコーヒーカップを回す。

「ヴぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」

これは学校での校外学習でゆうえんちに行ったとき、

コーヒーカップに乗って悪ノリでめっちゃ回すやつだ。

ーーーーーーー死ぬっ!

ゆっくり停止するころには、私は完全に酔ってしまった。

「いやー楽しかった。よし!次行ってみよー」

ーーーーーーーおぉ、神よ・・・・。

休憩もしないうちに次のアトラクションに乗る。

「あの空中ブランコに乗ろ」

また回るやつ!?

そして無慈悲にもブザーが鳴る。

ウィーンとゆっくり動き出した、モグは

こちらを見て手を振っている。私はできる限りの笑顔を作って見せた。

ブランコは高くまで上がり、クルクル回りだすーーーー。

ブー――ーーー――ッ

ブザーが再びなりアトラクションは終了した。

「これも楽しかったね!マノちゃん!」

「ヒヒッ」

「そっか、よかったよかった」

理性が吹っ飛びそうだ。

私はモグに手を引かれ、次々とアトラクションに乗った。

メリーゴーランド・観覧車・トリックアートの館・・・・。

時間はあっという間に過ぎてスマホの時計を見ると

もう、夜中の2時を過ぎていた。

「えっ?もうこんな時間!最後にジェットコースター乗らなきゃ。」

あぁ、もう少しで家に帰れる、早くお布団に埋もれたい・・。

猛ダッシュでジェットコースターの列に並んだ、

私たちの前後に何人か並んでいる人がいて案外

みんなギリギリまでいるもんだなと思った。

ジェットコースターは赤いボディに黄色と青のラインが入っていて

4連結だ、1台4人まで乗れ、計16人まで乗れる。

私達は真ん中に乗った。

「夜のジェットコースター・・・ワクワクするね」

「そうだなぁ、暗いときに乗ったことないからな」

いつの間にか酔いも収まり、私はそれなりにアトラクション

を楽しんでいた。

「よかったぁー、てっきりマノちゃん、具合悪いのかと・・・」

「悪かったんだよ!!」

女性従業員がひとりひとりのベルトをチェックし終わる。

「それではジェットコースターがまもなく発車いたします。

一番高いところでは当ゆうえんちが一望でき、そのあとは

一気に加速し闇夜を駆け抜けます。スリル満点です

最後に一つだけ注意事項があります。一度発車いたしますと

止まりませんのでご注意ください。」

「そんなに、怖いのか・・・」

 

私は顔が青ざめる。

 

「わーい!楽しみ♪」

 

モグは楽しそうだ。

「それではいってらっしゃーい!!」

 

ブザーと同時にゆっくり進みだす。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ・・・・・。

ジェットコースターはゆっくり昇り始め、

私は周りの景色を眺めた。

ゆうえんちの外側は明かり一つない、暗闇が広がっている。

隣接している公園には街灯が一つ立っていた。

高くてよく確認ができないが、沼のあたりに

何かいるような気がした。

でもジェットコースターはすぐさま降下し始めた。

暗闇の中を駆け抜ける、上っては下り、下っては右へ左へ、

逆さまになってはまた昇る。

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ああ”あ”あ”-。」

もう自分の平衡感覚がおかしくなりそうだ。

だがそんな時間もいつかは終わるわけで、

コースもラストスパートだ。所要時間は3分くらいだろう。

最後の一直線。

ついにーーーーー、

終わらなかった。

なんとそのままジェットコースターは止まらず、

またカタカタと昇り始める。

「え?え?ん?どういうこと?」

私はモグに問う。

「あれじゃない?ファンサービス的な」

「あぁ、そう」 

 

でも、それで、みんながみんな嬉しがるとは思えないけど・・・。

ーーーーーー考えすぎだろうか?

また、降下し始めた。

そして、また最後の一直線。

女性従業員が見えてきた。

ーーーーーが、止まらなかった。

またゆっくり発車する。さすがのマノも不思議がっていた。

「だいぶ、サービスいいね」

私は呑気に言ってみた。

「いやいや、なんだかおかしくない?3周目はいるよ?」

おー!珍しくモグがツッコンんだ。

仕方がないので私が、

「すいませーん、降りたいんですけど」

と手を振ってアピールした

「それでは、いってらっしゃーい」

・・・・無視された。

「たまたま聞こえなかっただけだよね?次は降ろしてくれるよ」

せっかくだからとモグは言う。

「もう一回言ってみる」

3周目が終わり戻ってきた、今度こそーーー。

「すいませーん!!もう降ろしてもらってもいいですか?」

私は丁寧かつ大きな声で言った、が、私達の期待は打ち砕かれた。

「それでは、いってらっしゃーい」

またジェットコースターが始まろうとしていた。

「お姉さん!!降りたいんですけど」

マノが大きな声で言うが女性従業員はにこやかに手を振るだけだ。

他の人はどんな反応しているのだろうかと思い周りを見る。

今まで気が付かないのもおかしいが、見ると

誰も乗っていないのだ、前も後ろも・・・。

wallpaper:1155

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ・・・・。

もう、4周目に入る。

昇っている間、私は考え込む。

何がどうなってるんだ、一緒に乗っていた他の人たちが消え

従業員は私達の要求を無視ときた。

頭の中で整理しているうちにまた、降下し始めるーーーー。

終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって

始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって

終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって

始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって

終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって

始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって

終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって

始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって

終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって

始まって、終わって、始まって、終わって、始まって、終わって、始まって

――――もはや何周したか覚えていない。

モグのほうも精神的にキツくなっているようだ。

これじゃまるで軟禁コースターじゃないか。

また最初に戻る。

すると女性従業員は止まっていないジェットコースターに乗り込み、

安全ベルトもつけずに私達の前の席に座る。

フフフッと目の前の座席に座っている女性従業員が笑う。

何がおかしいんだと睨んでいたその時だ、

こちらに振り向いた、ニヤッと笑っている。

だが、眼球と歯肉が丸ごとごっそり無くなっていた。

目からは涙の様に、口からはよだれの様に血が流れ始めた。

wallpaper:726

「お”ぎゃ”ぐざま”に”は、ざいじょ”に”も”う”じあ”げま”じだ

一度発進じだら”止ま”り”ま”ぜん”と・・・・・。」

カタカタまた昇り始めた、不意に下の沼を見て驚愕した。

沼の中にはおびただしい数の亡者が蠢いている、まるで血肉の沼だ。

私たちはこの亡者たちの仲間になるのだろうか。

wallpaper:3452

すると----。

ズキッ、

急に激しい頭痛がした。

(あ、あたまが痛い。)

私は頭を抱え込んで唸る。

「あ"あ"っ」

頭の中でよくわからない言語の言葉が思い浮かぶ。

ーーーーーまた最初に戻ってきた。

乗っているジェットコースターの左右には無数の亡者達が

犇めき合っていた、相変わらず前席の女性従業員はケタケタ笑っている。

私はふと・・・。

「*********。」

皆がピタッと止まる。

もう一度唱えた、

「*********。」

「お"ぉ”ぉ“ぉ“え”ぇ”あ”ぁ"ぁ"ぁ"あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ

”あ”あ”あ”ああ”あ”あ”-!!!お”ま”え”“ぇ!!!!!」

亡者たちの四肢にはいつの間にか血錆びれた鎖がしっかりと捕えていた。

「や”め”ろ”ぉ“ぉ“ぉ“ぉ“ぉ“ぉ“ぉぉ“ぉぉ“ぉ“!!!!!」

願いも空しく足元がポッカリ穴が開いて引きずり込まれていく。

前の席に座っていた女性従業員も悲鳴を上げながら煉獄へと送られていった。

wallpaper:3187

そして全てが終わり、辺りは静まり返っていた。

頭痛は収まり。私は、ふぅっと一息ついてーーーーーー。

「はー、さぁてー、できることやっとこ・・・。

まずはモグを車に乗せてっと・・・。」

私はモグをおんぶして荷物を持ち駐車場へと向かう、

スマホを見ると現在の時刻は3:30。

日が出るまでにはまだ時間がある。

モグと荷物を運ぶのに集中していたから気が付かなかったが

振り向くと真夜中ゆうえんちは荒れた廃墟となっていて

駐車場に着くと、私の車以外の止まっている車全てが

錆びついていて廃車となっている。

私の車の助手席側のドアを開け、モグを乗せる。

いつの間にかモグは気絶していたようだ。

次に私は沼のほうへ向かう、残りの亡者たちを煉獄に送るためにーーーーーーーー。

wallpaper:1573

近くのベンチに座って、スマホでここのことについて調べてみる。

さかのぼること江戸時代、この号政沼(ごうしょうぬま)は刑場であった。

名前の漢字の意味に『号』は、生き埋めにされた人の姿。口を大きく開いて泣き、

その悲しさからかがみこんだ状態。『政』は、相手を力で征服してただす「正」と

右手でムチを振るう『攵』が合体しており「強制的にただす」意味があり、

罪人を裁くのはもちろんだが、中には罪を着せられた人も多く、女・子供関係なく

この沼で処刑された。

今でも沼の奥底にはたくさんの遺骨が埋まっていて

地元の人たちからは忌み地として恐れられていたそうだ。

wallpaper:1155

ゆうえんちのことについてはこう記してあった。

昭和37年。ちょうど日本が高度経済成長期の頃にこの号政沼の近くに

ゆうえんち建設計画が上がってきた。地元住民は猛反対していたが

その声を無視して無理矢理に建築工事を進めていったそう。

ゆうえんち完成後、こんな田舎で以外にも駐車場が全部埋まるくらい

大盛況だったという。

しかし、悲劇が起きたーーーーーーー。

ゆうえんちで大目玉のジェットコースターが点検していたのにもかかわらず

脱輪してしまい、号政沼に勢いよく落下する事故が起きてしまった。

乗っていた乗客は男女8人が乗っていたが全員死亡。

偶然であっても地元住民はその沼のことをよく知っていたので恐ろしくなり

創設者にお堂を設立することを志願したが、取り合ってもらえなかった。

それからというものゆうえんちでは妙な噂が囁かれるようになる。

風もないのに観覧車が大きく揺れたり、夕方に戸締りを確認していた

従業員が失踪。事故があった沼に8人の幽霊が目撃されるなど怪事件が

起きていたそう。それに伴って客足が減り、昭和39年に閉園した。

そのゆうえんちのジェットコースターから創設者は沼に飛び込んで亡くなった

という。

それからというもの誰も沼とゆうえんちには近づかなくなった。

「・・・なるほどねぇ」

事の発端を知れた私はおもむろにチラシとパンフレットを取り出した。

それはもう湿気を含んでいて黒カビが生えており、

かなりの年数が経過したかみっぴらとなっていた。

「困ったもんだ」

私は地面に大の字になって私の意識は遠のいていった。

wallpaper:2981

気が付いた時にはもう午前8時を過ぎていた。

私は起きる、自分の状況を把握。そして異常がないか自身の確認。

ーーーーー異常あり・・・。

私のおでこに、小さな触覚が生えている。

「ナニコレ!?まじかぁー。」

これをどういう風にマノに説明しよう・・・。

あっ、そういえばモグを車に放置したままだ。

駐車場へ向かうと私の車から大きな声が聞こえる。

「ぴぎゃーーーーーーああああああああああ!!!!」

モグが赤ん坊のように泣き叫んでいた。

「バカバカバカバカ――!、マノどこに行ったのーーーーー!

何でいないのーーーーー!!あ”ーーーーーーーーん!!!

私どうしたらしいのさ―――!!!!!」

私は、運転席側のドアを開ける。

しれっと座り、モグは私を見て停止する。

「バカァァァァァァァァァァァア!!!」

耳がつんざく。

「なんで置いていくのさ!なんで黙っていっちゃうのさ!

なんでいなくなったのさ!!!」

嗚呼、めんどくさっ!

私は順番に説明していった。

このゆうえんちは何十年も前に閉園していること。

その原因は隣接している号政沼にあること

「ほんとに??」

モグの顔が青ざめていく。

「ほんとです。」

と私は正直に言う。

「もう、帰ろ。」

「そうだな。」

そしてエンジンをかける。モグがふと、何かに気づいた。

「マノちゃんそのおでこのアクセサリーいつ付けたの?」

あ”ぁ”!!忘れてたッ!!

「真野ちゃん、超かわいい!写真撮ろっ。ねっ?」

「やめろーーーーーーーーーー!。」

私はモグの写真攻撃をかわしながら帰路につくのであった。

Normal
コメント怖い
1
5
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ
表示
ネタバレ注意
返信