中編3
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二本の白い素足

新しいジーンズが欲しいなあと日曜日に、郊外にあるとあるショッピングモールに行ったんだ。

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日曜日ということもあり広い館内は結構人が歩いていたね

アパレルコーナーのある二階にエスカレーターで上がり、デイリーなカジュアルウェアを扱う店に入る。

衣替えの季節ということもあり、モダンな店内は混み合っていたよ。

冬用の上着を2着ジーンズを2本、かごに入れると奥にある試着室に進む。

試着用の個室は4つ並んでいるのだが、案の定その全てが使用中だった。

手前の方に立ち空くのを待つ。

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暇だから何とはなしに、それぞれの個室を眺めているときだった。

ある光景を見た瞬間、変な違和感を感じた。

一番手前にある個室のカーテンの下の隙間から二本の白い足が見えているんだけど、それがこちらを向いているんだ

普通試着室に入った人というのは奥の姿見の方を向いているはずなのだが、反対なんだ。

その人は何をするわけでもなく、白いカーテンのすぐ向こうでただじっと立っている

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─何をしているんだ、この人は?

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隙間から見える白い足からどうやら女性のようだ。

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やがて一ヶ所空いた。

そこは手前から二番目つまり件の個室の左隣である。

かごを持ってその個室に入った。

ウェストに一番合ったジーンズを履き、店員を呼ぶ。

裾を折り曲げてもらい仮止めしてもらうと脱ぎ、そのジーンズをかごに入れて個室を出る。

裾上げのために補正カウンターにジーンズを持っていくのだ。

出る時、ちらりと横目で例の個室を見た。

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─え?あり得ないだろう、、、

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ぞくりと背中に冷たい何かが走る。

というのは普通カーテンにあれだけ近づいていると、うっすら顔かたちくらいは透けて見えるはずなのだが何も見えないのだ。

影さえも、、、

だが下を見ると二本の白い素足だけはきちんと並んでいる

俺は頭を振りながら急いでカウンターにジーンズを渡し、引換券を受けとると店を出た。

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裾上げまで30分かかるようなので、1階に降りてレストラン街に行きパスタの店に入る。

サービスランチを平らげたらいい時間になったので、ジーンズを受け取りにさっきの店に戻った。

補正カウンターに引換券を渡す。

店員が対応している間に何気なくさっきの試着室に目をやる。

カーテンは開いており人の姿はなかった。

俺は商品を受け取ると店を出て、ショッピングモールを後にした。

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車で自宅のマンションへと走る。

駐車場に到着したときは夕方になっていた。

エントランスを通りエレベーターに乗ると、4階で降りる。

渡り廊下を歩き自宅玄関の前に立つと鍵を開けて中に入った。

誰もいない薄暗い廊下を歩き奥にあるリビングに入り、荷物を下ろす。

ドスンとソファに座って一息ついて何気なくベランダ手前のサッシ窓の方を見た時だ。

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─え!?

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喉の裏に激しい心臓の鼓動を感じる。

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ぴったりと閉じられた背丈ほどのカーテンの下に、きちんと並んだ二本の白い素足があった。

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Fin

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@NAZUNA 様
怖いことが、コメント ありがとうございます
私個人としては本作品のような、ありきたりの日常の中にさらりと現れる理解不能なことというのが、一番怖いと思います
もちろんおっしゃるように、異性の霊が憑いてきた、というのも怖いのですが、そんなことでは全くなくて、ただ付いてきた、というのも、怖いですね

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怖いですね。自分の存在に気づいてくれたからついてきたのでしょうか?
異性の幽霊が付いてくる=好意って聞いたのでお気を付けください。

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@悪い人-bad parson 様
怖いポチ、コメント ありがとうございます
その後のことは、いろいろ考えて楽しんでください

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