有名な話ですが、サイト内検索掛けたら見当たらなかったので載せます。うろ覚えですが。
何気に既出だったらスマソ。
ある一人のダイバーが潜水マシンで海に潜ると、海底に三人の人間らしきものが歩いてるのが見えた。
怖くなり急いで海面へと向かったが、途中振り返るとその三人が追いかけてくる。
それは眼球がなく、まるで死体の様。
何とか陸へたどり着き、半ばパニック状態で近くの民家へ駆け込んだ。
「そりゃ流れ亡者だ」
「あんた、エラいもんに遭いなさったな…」
町の人は驚き、ダイバーをある寺へと連れて行った。
その寺は港町を見下ろすように山の上にポツンと建ち、ダイバーはそこで大掛かりなお祓いを受けた。
お祓いが終わると小さなお堂へと連れて来られ、
「ワシらは一緒には居れん」
「一晩の間何があっても声を出すな。お堂の中でじっと隠れてろ」
などと注意を受けた。
「何でこんなとこに一晩いなきゃならないんだ、早く帰りたいのに…」
と思いはしたが、昼間見たものへの恐怖と、町の人達の言い知れぬ勢いと迫力に圧され渋々従った。
その夜
ピシャッ、ピシャッ、
と、水に濡れた足音のようなものが聞こえ、その音は段々近づいてくる。
そして足音はお堂の周りをウロウロ周り始め、やがてお堂を揺らしたり外から壁をバンバン叩いたりした。
ダイバーは恐怖に怯え目をギュッと瞑り、声を出さないようじっとその時が過ぎ去るのを待った。
朝になり町の人達が様子を身に来ると、お堂の周りや屋根には深海にしか生えない水草が落ちていたり、寺までの道が水で濡れていたりした。
「いいか、あんたは流れ亡者に目を付けられた。
海に潜るとまた流れ亡者が追いかけてくる。
今後は、生涯水辺には近寄らんで生きていきなさい。」
その日を境にダイバーは海に潜るのを辞めた。
怖い話投稿:ホラーテラー パイプユニッシュさん
作者怖話