短編2
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誰・・・

 9月9日に夢を見た。モノクロの夢の中に、私の母が立っていた。

 

 すると、5歳ぐらいの男の子が「お母さ~ん。」と言いながら母に駆け寄って行った・・・。 母は微動だにしない。

 

 男の子はオレの方を向いた。直感的に、この子はもう死んでいる子だと感じた。 それと同時に、体の中に、「哀しみ」の感情が流れ込んできた。男の子と見つめ合ったまま目が覚めた。

 

 妙にリアルな夢だったのが気になりしばらく考えていると、オレには妊娠の途中で流れてしまった弟あるいは妹がいたことを思い出した。急いで母に電話してみた。

 「お母さん、オレに生まれて来なかった弟か妹いたよね? いつ流産した?」

 

 母は答えた。「1月1日に、妊娠2ケ月の時・・・」

 

 お分かりでしょうか?まさに、9月9日は出産予定日辺りだったことを・・・。

 

 「今日はきっと、生まれてこなかった弟の誕生日だったのだ!!」と確信し、母にこういう夢を見たと話し、家族全員に今日お参りに行ってくるように言った。

 

 

 もちろん、オレ自身も、その子の墓があるわけでもないが、近くの寺の水子観音にお参りに行った。

 

 その「弟」の目元が、一番下の妹(オレには妹が2人)にそっくりだったことが今も忘れられない。

 

 ただ、疑問なのは、生まれていたらその時16歳だった「弟」が、どうして5歳ぐらいの姿だったのだろうということだ・・・。

 

 そして気になるのは、(代わりに生まれてきたような存在の)一番下の妹を逆恨みして、16歳の時に連れて行こうとしたりしないかだ・・・。

 

 あの夢からは、怨みの念は感じられなかったが、気掛かりではある。もし、妹を連れて行こうとするなら、兄は全力で戦わないと行けない。

 はじめての兄弟喧嘩か・・・。 そうならないことを祈ってはいるが。 今年も9月9日にはお参りに行ってくる・・・

怖い話投稿:ホラーテラー サマエルさん  

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