短編2
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パンダおじさん

近所に私達が、パンダおじさんと呼んでいる人がいた

何故パンダおじさんなのかというと、おじさんが乗っている軽トラの、運転席の後ろの小窓にパンダの絵を張り付けられていたからだ

小学校高学年になると、皆、パンダおじさんが実は変な人だと気づいてきた

大人たちに「あいつおかしい」と言っても誰も私達子供を相手にしない

大人の前では普通みたいだ

なんでおかしいと気づいたかというと、私達を見つけると

「おっおっ」と言いながら近づいて来るからだ

そんなパンダおじさんは私達子供の格好の餌食

おじさんちに探検に行くことになった

どうやら家にいるようで軽トラがあった

そこで…衝撃をうけた

パンダの絵をよく見ると、それはお団子をした女の絵なのである

そして女の回りにローマ字で「パパ、デカ○ンね」等々、下品な言葉を書いていた

更に軽トラの荷台の部分には

よく覚えてないが「貴女のオッパイ」等、卑猥な俳句のような文も書いていた

軽トラが有るということは在宅してるということで一先ず退散した

パンダおじさんの軽トラを見て益々興味をもった私達は後日、おじさんが居ないときに家のなかを探検しようということになった

そして後日、軽トラが無いことを確認し四人ほどでおじさんの家へ

すると…

玄関からして異様だった

真っ黒なキノコが1つだけつるされている

玄関の戸に手をかけると鍵は閉まっていなかった

ドキドキして誰が開けるかじゃんけんをしたのを覚えている

そして玄関を開けると

キムタクのポスター…

あまり気に止めず入っていった

居間を見るとテレビの上には太ももまでのリカちゃん人形(にしては巨乳)の様なものが飾ってあった

次は風呂やトイレ

どちらも壁も何もかもまっ黄色で汚かった

「うわっ」と、すぐ扉を閉めた

台所に行くと髪がボサボサの女の絵が二枚壁に貼られていて、不気味だった

その時一人居なくなっていたが、まだ見てなかった座敷の方に行ったんだろうと誰も気にしてなかったが、座敷の方から

「うわー!」

と叫び声が

そしてすぐ

「逃げろ!」

皆訳もわからず家を飛び出た

少し走って広場に行き、叫んだ子に皆どうしたのかと聞いた

「おじさんが座敷で変なインドみたいな躍りを踊ってた…」

やっぱり変な人なんだと確信した小学生時代

ただ、この後「変な」おじさんは「恐怖」の存在に変わっていった

怖い話投稿:ホラーテラー シュワさん  

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