短編2
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『学校の怪談』

気がつくと僕は教室に一人取り残されていた。

すっかり辺りは暗くなり、生ぬるい風にカーテンが不気味に踊っている。

昼間はあれだけ賑やかだった校庭も、時が止まったかのように沈黙したままだ。

「ったく、先生も気づいてくれよな。」

急いでカバンに教科書やノートを詰め込み、教室を出ようとしたその時──

『…イ…タ…イ…』

絞り出すように発せられた声。

『イ…タ…イ…ヨ…ウ』

隣の教室からだ。

こんな時間に聞こえてくる声なんて、普通じゃないのは誰にだってわかる。

相手にしてはいけない!

本能が僕に次の行動を決めさせた。

足音をたてないように、教室の前を通り過ぎる。

こんなときに限って、戸が少し開いている。

見ちゃだめだ。

そう思えば思うほど、体はいうことをきかないものだ。

そして……

ついに、教室の床に倒れているソレと目が合ってしまった。

「……!?」

ソレは

ズルズルと

体を這わせて

僕の方へ近づいてくる。

キーーン!!

耳鳴りがしたと同時に全身が硬直。

──金縛りだ。

か、体が動かない。

…ガラガラ

無情にも戸が開き、ソレは近づいてきた。

…ズズッ…ズズッ

カッと目を見開き

はみ出した臓物を

引きずりながら

ソレは起き上がる。

声が…出…な…い

『…ツカマエタ』

「授業中に居眠りとは、何様だぁ!!」

先生の怒鳴り声で目が覚める。

──夢だったのか。

「廊下に立ってなさい。」

しかも、怒られたのは僕じゃないみたい。

あれっ?

なんで僕、先生の隣に立ってるんだろ?

「では、続きを始める。

今日はこの人体模型を使った内臓の働きについて勉強するぞー。

ん?なんだ?

今日、白井は休みか?」

怖い話投稿:ホラーテラー ソウさん  

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