短編2
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返して…

今から3年ぐらい前の事、俺その頃まだ単車またがってて暴走族やってたんだけど

その夜も俺のお気に入りの愛車のRZ350に乗って集会に出てみんなで街中流してたわけよ

それでタバコ吸おうと思ってポケットに手突っ込んだらタバコがなかったから一緒に走ってた奴に

「ちょっとタバコ買ってくるわ」って言って適当に走って自販機探しに行って無事に見つけたから買おうと思ってそばに単車止めたら

自販機の横に女が一人で立っててもしかしたら暴走見に来たのかな?と思って歳も近そうだったから一発ナンパしてみようと思って

「お姉ちゃん何処の子?今走ってるんだけど、ケツ乗って一緒に走る?」って聞いたら

「返して…」って言い出して、意味分かんないから「は?何言ってんの?」って言おうとして顔よく見てみるとそいつ両目がなかったんだよ

それで俺怖くなってタバコ買うのも忘れて速効でエンジンかけて逃げたよ

でもミラー見てみたらそいつ追いかけて来てんの、走るって言うか足を少しも動かさないで飛んでる感じで

俺もう頭真っ白になりながらアクセル全開で必死に逃げたんだけどその走ってる間もずっと耳元で

「返して…返して…」って、もう気が狂いそうになってとりあえず走る事しか考えられなかった

それでしばらく走ってたら信号が赤になってるのに気付いたんだけど止まってるヒマなんてないと思って無視して行ったら

横からトラックが来てそのまま轢かれたんだ、そしたら運転してた人か見てた人かが救急車呼んでくれて、担架で救急車に運ばれる時に

うっすら野次馬の中にあの女がこっち見ながら笑ってるのが見えた、本当に怖かった

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
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シンプルでオーソドックスな話だけど、実際に体験したらトラウマになるくらい怖いだろうなぁ

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