短編2
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お隣さんが……

これは母方の伯母の話。

私の家は親戚付き合いがほとんどなく、あっても両親の祖父母と兄弟くらい。

更に母方の祖父母は既に他界し、伯父とは音信不通。

唯一連絡をとっているのは伯母。

伯母は成人と同時に上京し、結婚してからは祖父母が病気になった時の見舞い、自身の出産で田舎に帰ってきていました。

でも、私の母が病気になり、私の家族が母方の祖父母(伯母にとっては両親)の墓参りに行けなくなった時、伯母の方もまだ小さな従妹の世話や旦那の方の家族付き合いでこちらに帰れないことがありました。

8月のお盆に9月の彼岸、墓参り出来きなかったことを伯母はかなり気にしていました。

そんな秋の夜。

祖母が夢に出たそうです。

手に何かを持って。

「お隣さんがね、くれたんだよ」

そう言って手に持っていたものを、にこにこしながら食べたそうです。

祖母が持っていたのは虫がわいてぐちゃぐちゃになったサンドイッチのようなものだったそうです。

祖母が亡くなって一年とちょっと。

お供え物がなく、あの世で飢えていたのでしょうか。

今まで家族の夢なんて見たことがなかった伯母は墓参りに行けなかったことを気にして、どうにか時間を作って墓参りへ行ったそうです。

あれからも墓が離れていることや都合がつかず墓参り出来なかったことはありますが、あれ以来、祖母が夢に出たことはないそうです。

もう何年も経ちますが、伯母はまだ忘れられないと言います。

ぐちゃぐちゃになった物を、笑顔で食べる祖母の顔が。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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