中編3
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完璧な作戦

 …もう何年も前の話。

 当時付き合っていた女と「付き合って一周年記念」を彼女の家ですることになった

 その日は「夜7時半に家に来て」と彼女に言われていた

 …しかし俺は、予定よりも30分早い「午後6時45分頃」に、彼女の部屋の前にいた

 …俺は「ある作戦」の準備のために、早めに彼女の部屋に来ていたのだ

 当時、付き合っていたこの彼女は大変な「いたずら好き」で、会う度に小さなイタズラを俺に仕掛けてきた

 車の座席の座布団の下に「ブーブークッション」を仕掛けたり、

俺が飲もうとしていた「コーラ」を、俺に気づかれないように「シェイク」していたり、

俺の携帯の待ち受け画像を、こっそりと俺の嫌いな「クモ」に変えていたり…

 「今日は俺がイタズラして驚かしてやろう!!」

 …俺は日頃のうっぷんを、この日に晴らそうと決めていた

 昨日、彼女に確認したところ、彼女の仕事は「7時」に終わるとの事

 彼女の会社からこの部屋まではだいたい「15分」くらいかかる

 彼女が部屋に着く予定は「夜7時15分頃」だ

 …今は「午後6時45分」なのでこの「30分」の間に準備をしなくてはならない

 俺は持っていた「合鍵」で彼女の部屋に入った

 そして自分の「靴」をベランダに隠した

 …玄関に靴があったらバレバレだ

 それから俺は隠れる予定の「ベッドの下」を掃除機できれいにした

 …彼女が帰って来たら、急に出てきて驚かせようと、俺は企んでいた

 …「ホコリ」等でくしゃみや咳がでたら台無しなので、俺は丁寧に掃除機をかけた

 掃除を手早く終わらせ、俺はもう一つの作戦、今日のメインのイタズラの準備に取り掛かった

 この彼女は大の「怖がり」だった

 「怪談」なんて話したら、耳を塞ぐくらい嫌がっていた

 …そこで俺は、彼女に「大ダメージ」を与える「作戦」を考えていた

 『俺が怪談を話し終わったと同時に≪目覚まし≫が鳴り響く』

 …どうでしょうか、この作戦?

 …「怪談」が苦手な彼女は、さぞや驚くに違いない

 …日頃の恨み、晴らさせて頂きます!

 先ず俺は、話す予定の「怪談」の時間のチェックをした

 きちんと声に出して時間をチェックする

 …このタイミングがずれてしまったら、全て台無しだ

 …時間は丁度「3分」だ

 念の為、もう一度声に出して、時間をチェックした

 …ヨシ!! 「3分」で間違いない!

 俺は「7時57分」から「怪談」を話すと決め、目覚まし時計のアラームを「8時00分」に合わせた

 …ヨシ! 準備は整った

 …時計を見ると「午後7時5分」をまわっていた

 俺(…万が一道路が空いていて、早めに着くかも知れないしな…)

 …俺は部屋の明かりを消し、掃除をしたベッドの下で、早めに標的の到着を待つ事にした

 (…ふふふ、 …楽しい夜になりそうだな♪)

 …時計の秒針の音だけが聞こえる暗い部屋で、俺は標的の到着を息を潜めて待ち続ける

 …そして間もなく、ドアの開く音がした!

 「…ガチャ…。」

 ……!!

 …彼女が申し訳なさそうな顔で、クローゼットの中から出て来た。

怖い話投稿:ホラーテラー 布北麻里さん  

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