僕が子供だった頃の話
夜、フッと目が覚めた。
何か足の辺りに違和感がある。とても眠かったが、気になって何だろうと思い布団を引き上げ、ジィ~っと見てみた。
‥‥足首を掴まれていた。
闇の中から人の手が出ていて、僕の足首を掴んでいた。
「」
怖過ぎて声が出ずに固まってしまった。
が、このままではマズイと足を引っ込めようとした。
その時、「ガッ」と
足首を掴む手の力が強くなり、「ズルズルズルッ」と闇の中へ引きずり込まれそうになった。「わああああ」
僕は必死になって足をバタバタさせたが駄目で、その後はもう、死に物狂いでその手をガンガン蹴って引きはがした。
そして、一目散に親達が寝ている部屋に逃げた。
親達は、夜中突然僕が駆け込んで来てビックリしていた。
僕はさっきの話をした。が、
「悪い夢見たんだねぇ」
と笑って大してとりあってくれなかった。
でも、僕が怖がった為、その日は親達と一緒に寝た。
次の日、
僕は同じ目に合い、親達の部屋に駆け込み一緒に寝た。
そんな事が一週間位続いた夜、僕が又親達の部屋に駆け込むと、大してとりあってくれなかった親達なのに、
その日は僕の部屋に向かって行った。
いつもは穏やかな親達は何だかいらついており、父親は特に殺気立っているような気がした。
そして、僕の部屋に入るなり、今まで聞いた事の無い様な声で怒鳴り、塩やら酒やらを撒き散らして、物凄い言葉で罵倒し捲くった。
すると次の日から、
あの怖い手は出なくなった。
そして大人になった僕は、
感謝しつつ、いつもは穏やかな親達(特に父親)が、
何であれ程怒っていたのか、
思い知るのでした。(笑)
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話