短編2
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親達の怒り

僕が子供だった頃の話

夜、フッと目が覚めた。

何か足の辺りに違和感がある。とても眠かったが、気になって何だろうと思い布団を引き上げ、ジィ~っと見てみた。

‥‥足首を掴まれていた。

闇の中から人の手が出ていて、僕の足首を掴んでいた。

「」

怖過ぎて声が出ずに固まってしまった。

が、このままではマズイと足を引っ込めようとした。

その時、「ガッ」と

足首を掴む手の力が強くなり、「ズルズルズルッ」と闇の中へ引きずり込まれそうになった。「わああああ」

僕は必死になって足をバタバタさせたが駄目で、その後はもう、死に物狂いでその手をガンガン蹴って引きはがした。

そして、一目散に親達が寝ている部屋に逃げた。

親達は、夜中突然僕が駆け込んで来てビックリしていた。

僕はさっきの話をした。が、

「悪い夢見たんだねぇ」

と笑って大してとりあってくれなかった。

でも、僕が怖がった為、その日は親達と一緒に寝た。

次の日、

僕は同じ目に合い、親達の部屋に駆け込み一緒に寝た。

そんな事が一週間位続いた夜、僕が又親達の部屋に駆け込むと、大してとりあってくれなかった親達なのに、

その日は僕の部屋に向かって行った。

いつもは穏やかな親達は何だかいらついており、父親は特に殺気立っているような気がした。

そして、僕の部屋に入るなり、今まで聞いた事の無い様な声で怒鳴り、塩やら酒やらを撒き散らして、物凄い言葉で罵倒し捲くった。

すると次の日から、

あの怖い手は出なくなった。

そして大人になった僕は、

感謝しつつ、いつもは穏やかな親達(特に父親)が、

何であれ程怒っていたのか、

思い知るのでした。(笑)

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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