私が小さいときの話です。
私は小さいときに、てんとう虫のおしりに紐がついていて、引っ張ると「むすんでひらいて」の音楽がなる人形をもらいました。
紐を引っ張ると、羽が開き、しかも手足をばたつかせ、目も左右に動きます。
その人形は、作りがよかったのか、すぐ物を壊す私でも、弟に譲れるほど丈夫でした。毎日何度も紐を引き遊んでいました。
その日も私は、その人形をいつもの定位置、黒い台に引っ掛けて遊んで、その後、そのまま寝てしまいました。
目が覚めると両脇に父と母が寝ていて、深夜である事がわかりました。
ひまだな。
みるとてんとう虫の人形が私に背を向けた状態で
台に吊るされていました。
私はてんとう虫の人形に手を伸ばしました。でも、私は布団で寝ているため手が届きません。
その時、
背中を向いていたてんとう虫の人形が
ガタッ
と動き私の方を向いたのです。
そして紐を引っ張ってもいないのに
「むーすうんでーひーらーあいいてー」
と音楽がなり始め、手足が動き、目が私の方を見ていました。
私は
びっくりして、怖くなり、動けなくなりました。
朝になり、この人形は生きているんだと思い、
何度も人形に「動けるんでしょ。」
と聞きましたが、動きもしないし、しゃべりもしません。
それからその人形に触れなくなり、
弟が生まれ、人形は弟の物になリました。
今から考えると、あの人形は当時私の事が好きでいてくれて、幼い私のために、動いたのだと思います。
でも私に怖がれ、ショックだったと思います。
その人形はその後どうなったかはわかりません。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話