中編4
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夏の合宿

これは、去年高校の演劇部の合宿で起こった出来事です。

時期もお盆明けという事もあり、少し霊感…と言っても本当に少しだけなのですが、過去の事もあってわたしは心配していたのですが、コーチのおばあ様が陰陽師でコーチはその血を引き継いでいるすごい方だったので大丈夫だろうとその日1日は何事もなく終わりました。

そして次の日、朝昼と練習を終えた夜、不思議な現象が起こりました。

その異変に真っ先に気づいたのはK先輩で、その先輩も霊感があるらしくしきりに後ろを気にしていたのでわたしは不思議に思いました。

「どうしたんですか?」

「なんか後ろ通ってる気がするねん」

そういうものは、気にするといけないとよく聞かされていたのでその時は気のせいですよと流していたのですが、他のS先輩や隣の部屋に居たK先輩までもが今まで固く閉じられていた扉がふと見たとき開いていたのを目撃していたらしいです。

軽くパニックになった先輩や友達と一緒にコーチとマネージャーの部屋に転がり込んで、事情を説明しました。

「じゃあちょっと見てくるから待ってて」

そう言ったコーチは1人で部屋を出て行きました。

その間、わたし達はただただ黙っていました。

しばらくして戻ってきたコーチは、ベッドに腰かけて話し始めました。

「うーん、確かに霊はいますが、お盆で帰りそびれた君達と同じぐらいの女の子がちょっと遊びに来ただけだから、大丈夫」

「コーチ、その女の子、ちゃんと帰れますか?」

「うん」

その一言でパニックもなんとか収まり、各部屋に戻りましたが、それはまだ序の口だったのです。

わたしとは別の部屋に、部員に1人霊を呼び込みやすい体質の子が居ました。

その子は問題児で、避けられている子でした。

少なくとも本人の気をつけた方や態度もあると思いますが、霊がもう何体か憑いてしまっていて(コーチが軽くお祓いを試みたそうですが、弾かれてしまったそうです)、それが原因で近寄りたくない雰囲気が出てしまっていました。

その子を電波に霊の通り道が出来てしまい、結構やばい霊が来てしまっていてなにやら隣の部屋が騒がしい事に気づいて何事かと聞いてみると、コーチに外に出ないようにと言われました。

隣の部屋に居た部員達は慌ただしくコーチとマネージャーの部屋に行ってしまいます。

ただならぬ事態に焦るわたし達でしたが、途中マネージャーが来てくれていくらかほっとしたのを覚えています。

ただ、クーラーの温度は26度にも関わらず急に寒くなったり、切れば暑くなったりと様子がおかしい…K先輩はしきりに窓を気にしているし…。

「窓に何かあります?」

「誰かに見られてる…視線がすごい」

「あっ、じゃあマネーさんが窓側行って背中向けとこか。守護霊強いらしいし」

ここまでくるとわたしの霊感も疑いたくなってくるのですが、窓から距離をとっていたわたし達の中から部長が窓側に行きました。

わたしもついて行ったのですが、途端すごく息苦しくなったと言うか、とにかく窓側は危険だと感じて部長を引き戻しました。

あれはわたしが経験した中で一番酷かったです。

とにかくすごく気持ち悪い、一刻も早く部屋から出たい!そう思った時コーチが部屋の扉を開けました。

わたしは勢いよく飛び出して誰かにぶつかってしまったのですが、それどころではありません。

唯一覚えているのは、コーチの引きつった表情でした。

「とりあえずみんな出て」

わたし達は言われるまま部屋を出ました。

途中、今まで何度もずっと寝ていたその子を起こそうと何度も激しく揺さぶったのですがなぜか全く起きず、気休めでもと星を書いたもののこれも弾かれてしまい、本人には呼び込んだ霊は関係ないから大丈夫というのと、一番は一緒に居ては危険だとそのまま寝かせてわたし達はコーチとマネージャーの部屋に急ぎました。

部屋につくと先ほどあの子の霊の通り道の話を聞いて泣く人も出てしまって、とりあえず霊が居なくなるのは午前4時だと聞いたので部員全員午前4時まで寝ずに待ちました。

そして、午前4時。

気持ち悪い空気も何も感じなくなっていました。

結局、部員が寝たのは朝日が昇った午前5時くらいでした。

問題のあの子は何事もなく起床時間に起きて解散しました。

これでわたしの体験した話は終わりですが、あの子は家の都合という訳で演劇部を退部しました。

お祓いに言った方がいい事は本人が納得するように話し合いましたし、もちろん霊の騒動の事は話していません。

今年学校のクラスが同じになりましたが、今でも近寄りがたいです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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