中編3
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労をねぎらわれた?

俺の親父の話。

俺の親父はとにかく真面目。 酒は飲まない、タバコは吸わない、ギャンブルなんてもっての外。

自営業で内装やってんのね。俺が子供の頃はよく徹夜で仕事して、現場まで行って1日働いて深夜に帰ってくるってことの繰り返しだった。

で、この内装って仕事なんだけど、簡単に説明するとホテルのレジカウンター(長い木のテーブルとか)やらゴルフクラブのロッカールームの

入り口とかを一から設計して作って現地で直して収めるっていう・・・まぁ非常に疲れるガテン系の仕事なんだ。

で、これはそんな親父がまだ30代半ばの頃の話。

冬の寒い時期だったんだけど相変わらず忙しい

毎日で本当に「死ぬかと思った」時期があったらしい。

その日も一週間くらい深夜まで仕事して最後は徹夜して仕上げて、何とか現場で仕事が終わったのが夜10時。

ほっとして気が抜けたらしいけど、実はこの現場、高速で1時間半以上かかるところだったから

今度は運転に気をつけないといけないってんで

ゆっくり、慎重に帰ってきたらしい。

ただ、やっぱり疲れはどうしようもなくてどうやって運転してるのか分からないくらいになっちゃったらしいんだ。

やっとのことで高速降りるところまで来たんだけど、もう眠くて眠くてっ耳鳴りはするわ信号で眠りそうになるわでとにかく辛くて、それまでの忙しさとかもあいまって

「楽になるんなら死にたい」ってことまで思えたんだってさ。

そんなぎりぎりの状態だったけどもうすぐ家だし、帰れば風呂と布団で休めるってんで無理やり運転してたらしいのよ。

で、家まであと20分くらいってとこで川沿いの細い、トラックがすれ違うときは

お互い減速しあうような土手を走ってたんだって。

(俺も知ってるけどその道はクネクネしてて決して走りやすいとこじゃない)

もう時間は深夜1時を回ってたし、あたりは真っ暗。 自分の車のヘッドライトが照らす道くらいしかまともに見えなくてとうとう頭がボーっとしてきて、どうしようもなくなってきてたとき、ヘッッドライトに照らされて女の人がいたんだって。

全身白い、とにかく綺麗な感じの。

ただ、一瞬だけ目に入っただけで「あっ」って思った瞬間にはもう消えてたんだけど、その瞬間

「そっちは駄目」って声が聞こえてブレーキを

踏んだらしいんだ。

で、それまで意識朦朧としてた親父も一気に目が冴えて、気を張れたんだって。

なんかおかしいっていうか、普通に不安になって

ゆっくりと車を運転していったらそのクネクネした土手の、一番大きいカーブに大型トラックが横転してた。

しかも丁度カーブの入り口には何本かの木が生えていて完全に死角。

後に親父が言ってたのは、あそこで幽霊みなかったら間違いなくトラックに突っ込んで死んでたそうだ。

本当かどうか分からんが

うちの親父が体験した唯一の霊体験。

この親父は、怖くもなんともないが信じられない逸話がいくつかある。

機会があれば話します。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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