久しぶりに投稿します。今回は自分の体験した話です。
去年の春頃だったと思います。当日、ミニチュアダックスのチョコとゆう名前の犬を飼ってました。
ゲージは玄関を入ってすぐの廊下に置いていて、人が来たらワンワン吠えるので、いい番犬になっていました。
ある夜のこと、チョコがワンワン吠えました。玄関は磨りガラスの引き戸で、野良犬や猫が玄関先を通っても吠えるので「野良猫でも通ったかな?」と気にせずテレビを観てました。
ところが、いつまでたっても鳴き止まない。うるさいと思っていたら微かに声が聞こえた。
「A男さ~ん」
それは近所に住む母方のおじさんの奥さんが父を呼ぶ声だった。
「えっ?おばさん?」
急いで玄関に行こうと階段を降りかけてハッとした。
時刻は深夜12時を過ぎている。仕事柄、9時か10時には寝てしまうおばさんが、こんな深夜に来るのはおかしい。
そもそも、何かあったなら電話をしてくるはずです。
怖くなった私は旦那を起こした。
「ちょっと、起きて!なんかチョコが吠えまくってておかしいから見て来て!」
ユサユサと体を揺さぶり、起こすが全く起きない。
いつもなら熟睡していても起きてくれるのに…。
仕方なく、ゆっくりと階段を降りる。
階段から玄関が見える位置まで来た。
真っ暗な玄関に向かってチョコは吠え続けている。
「どしたんチョコ。誰かいるの?」
チョコは困った顔でこちらを見て、また玄関を吠える。
このまま吠え続けては近所迷惑になるので、ダッシュして玄関の中と外の電気をつけに行く。
玄関の磨りガラスにはおばさんどころか、誰の姿も見えない。
チョコも私が来て安心したのか、やっと鳴き止んでくれました。
チョコが深夜に鳴き続けたのは、その時が最初で最後です。
あの時、私が見える人だったら、玄関に何か見えていたのでしょうか?
おばさんの声で父を呼んでいたのは一体何者だったのでしょうか?
現在、父は健在ですが、チョコはこの事件から約一ヶ月後に亡くなりました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話