中編3
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怖い山道

小学五年生の頃、緑林学校で夜中、山の中を歩くというなんとも怖いイベントをやった。

といっても昼間、下見もやったし先生や泊まり先の職員さん達と同行なのでそれほど怖くは無い。

しかし休憩の時、班の一人の女子が

「先生達に内緒であっちの方に行ってみない」

と言う。

その方向は細道で明かりの無い暗い道である。

俺いや俺に限らず皆この女子(仮にAとする)が大嫌いだった。

顔はブスだし体はでかく性格は自分勝手,ワガママ。

普段の声も下品で口も臭い。

気に入らない相手には暴言,暴力。

まず男子はAを嫌っており女子も好きな奴はいなかった。

こいつと付き合ってる女子も数人いたが心底から友達と思ってる奴なんていない。

今回の肝試しだって列順なのにこいつは怖いから真ん中がいいと勝手に俺たちを押しのけ真ん中に入った。

そのくせ違う道へ行こうとか言う。

でもそれとは別に先生達に内緒で違う道に入るのは賛成だった。

ハッキリ言って先生ご同行なのであまりスリルも無かった。

なので先生が見てない間こっそりと俺たちの班はその道へ行った。

暗く懐中電灯の光だけが頼りだった。

Aは相変わらず自己中で自分は真ん中、俺たちは後ろへ追いやられる。

やがて道は二手に分かれる。

一つは広い道。

もう一つは細く狭い道。

その時Aのせいで後ろに

いた男子が

「後ろからなんか付いて来る」という。

ドキッとして後ろを向くと確かに後ろから髪の長い女がついて来る。

初めは先生かと思ったがよくみると全く見覚えの無い女だった。

もしかして幽霊・・・?

と班の一人が言った瞬間

Aともう一人の女子(仮にYとする)がギャアーー!!といいながら広い道の方へ逃げていった。

俺たちも逃げようと思った瞬間

フッと女が消えた。

いずれにせよ、これで女がこの世のものじゃないことが分かった。

俺たちは細い道の方へ逃げた。

しばらくすると山の入り口へ着いた。

しばらくすると他の班たちが戻ってきて俺たちは案の定、先生にどこいってたんだと説教を食らった。

が、やがてAとYがいないことに気づいた。

俺たちは仕方ないので今までのことを話したが逃げたことはともかく幽霊のことは信じてくれなかった。

ともかく捜索が始まった。

なにせ山の中で行方不明になったので警察も加わった捜索だった。

俺たちも勝手な行動をした罰として加わることになった。

やがてさっきの道に着いた時ギョッとした。

俺たちが通った細い道はあったが広い道などなく獣道があるだけだった。ただその獣道には古い墓があった。

ここでようやく先生方も俺たちの話を信じるようになった。

その日AとYは見つからなかった。

次の日の朝ようやくYだけが隣の山でみつかった。

Yは目が真っ赤になってて泣きつかれたって感じだった。

その後Yの話を聞くことにした。

あの後AとYはススキが原にたどり着いたという。すると先の方にさっきの女が立っていて手招きをしていたらしい。

するとAがブツブツと何か言いながら吸い寄せられるように付いていったらしい。

Yも泣きじゃくりながらついていったが途中でまた山に入り道が二手に分かれていたらしい。

YはすでにAを見失っていて泣きながらいろんな道を歩いていたら山の入り口に着き近くの住人に発見されたらしい。

Aはついに見つからなかった。が誰もAの失踪を悲しまなかった。

まああれだけ憎まれちゃそうだろうな。

ところであの墓のことだが付近の住人に聞いても誰も知らなかったらしい。

存在を知ってる人も年寄りだけでその年寄りが子供のころからすでに古い状態であったらしく誰の墓かは知らないらしい。俺としてはAが勝手に入ろうとかいったからAを祟ったのだろうと思う。

あれから13年。いまだAは今だ発見されてない。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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