短編2
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約束

一人の女の子がいました。

丁度一年前の今日、女の子の両親は交通事故で亡くなり、お父さんのおじいちゃんの家で育てられていました。

今日から小学生。

女の子は朝から嬉しさでいっぱいで、何度もおばあちゃんに髪飾りの位置を直してもらったり、3日前におじいちゃんに買ってもらった赤いワンピースを着た姿を、何度も鏡の前に来てはいろんなポーズをして見たり、とても嬉しそうにしていました。

そんな孫の姿を見つめながらおじいちゃんとおばあちゃんは少し戸惑うのでした。

何故なら、女の子は一年前に両親を亡くしてからあまり笑わなくなり、いつも寂しげな表情を浮かべていたたのでその様子に驚き又、不思議に思いました。

あまりにも突然の孫の変わり様におばあちゃんは女の子に尋ねました。

「今日から小学生だね。お前がこんなに楽しそうなのを見るのは久しぶりだよ。でも何故そんなに嬉しそうにするんだい?」

女の子は言いました。

「昨日、パパとママに会ったんだ。お墓参りに行ったよね。その時パパとママが今日小学校に来てくれるって約束してくれたの!だからちゃんとしなくっちゃ」

おばあちゃんは暫くの間孫を見つめ、そして気が付くと目から涙が溢れ落ちていました。

入学式で女の子は昨日の約束通り、パパとママの姿を体育館の片隅に見つけ、にっこりと微笑むのでした。

これは、私の妻が幼い頃に体験した話しです。

怖い話投稿:ホラーテラー BBQさん  

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