短編2
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手紙4

二日後...

その日も一人、友達が来ていました。

2人はいつものように、お酒を飲み、その日は午前2時ぐらいに寝たそうです...

玄関開けて、2〜3歩歩くと部屋に入り、右手壁側にひろしのベッド、友達は左手のソファとベッドの間、ちょうど部屋の中央の床に布団を敷いて寝ていたそうです。

そして、朝7時頃(“two of usが流れる前で、陽が部屋に入っていたので、おそらくこの時間)

ふと、実の姉が夢に出て来て、しきりにひろしの名前を一生懸命、呼んでいたそうです。

そこで、目が覚め(変な夢だな...)と思いながらも、隣で寝ている友達のいびきを確認して、布団を頭までかぶりもう一度寝ようとしたその時!

キッチンと部屋を仕切る閉めたはずのない重い木の引き戸がピシャッ!と勢いよく開き、床を10数歩小刻みに走る音が聞こえたそうです...

まるで小人が走っている歩幅で...

同時に強い金縛りにかかり、走る音が消えた次の瞬間、

ドスッ!

ひろしの腹部にボウリング大ぐらいの重い何かが乗り、ズルッ ズルッ と徐々に顔に近づき、強い重さで顔を押さえつけて言ったそうです...

『ん〜、殺すぞ...』

あの...鼻にかかったほのかな笑いと低い声で...

(うわっ!)と思い、全身に力を入れてはね除けたところ、簡単に金縛りが解けたそうです

すぐさま、いびきをかいている友達を起こして、今起きた事を話したそうです。

その日、僕も学校でその話を聞きました。

はじめは信じられませんでしたが、ひろしの話を聞いているとどうも、色々なつじつまが合うのです

男の喋り方と声のトーン、鼻にかけたあの笑い

正直、未だにこうして書いている時でさえ、鳥肌が立ちます

結局、僕たちの見解は、きっと男は”秀”で、

田舎のお母さんからの手紙では、『仕事順調ですか?』

って書いてましたけど、バッグの中は就職情報誌が入っていたくらいだから、もしかしたら仕事がうまくいってなくて、自殺とかしてしまったのではないかと

それで、面白半分でからかっていた僕たちの前に現れたのではないでしょうか

あの出来事以来は関連した事は起きていないので良かったのですが、あのような事はもう、しないようにこころがけています

でも、その手紙、捨てるに捨てれなくて、そのマンションの集合ポストの手が入らない隙間に、まだ残っているのです

ちょっと前に、たまたま見に行ったら、しっかり残っていました

以上が、一番怖かった体験談です。

おつきあいありがとうございます

また、もうひとつの話

投稿させていただきますので、どうぞ見てください

怖い話投稿:ホラーテラー 秀さん  

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