短編2
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見ぃーつけた…

昔、殺人事件が起こったとされる曰く付きのアパートがありました。

数日後に取り壊されてしまうそのボロアパートには幽霊が出ると言う噂がありました。

私の彼氏(仮にAとします)と彼の友達のBは飲み屋で程良く酔い、私にこんな話を切り出しました。

「あの噂の幽霊アパート、行ってみない?」

「おっ!面白そうじゃん、行こーぜ」

私は怖いモノ、取り分け幽霊など怪談の類は苦手なので断りました。

しかし、Aがしつこく行こう、と言うので酔いも手伝ってか渋々了承しました。

アパートは見るからに朽ち果てており、取り壊しの日が近い事もあり入れないようにしてありました。

このまま帰ればよかったのですが…

幽霊が出ると噂の二階の一番奥の部屋で私達三人は待ちました。

待てども待てども幽霊など現れません。

痺れを切らしたBが近くのコンビニで何か買ってくると言い出し、私とAはBを見送り、部屋で待つ事にしました。

数分後、ドアを叩く音…

私とAはBが帰って来たのだと思いました。

しかし、幾ら何でも早過ぎる。

「あいつ、俺達の事ビビらせようとしてんじゃね?おい、冗談は止せよ!バレバレだっつーの」

Aは苦笑いしながらドアの向こうに言いました。

「…開けてぇ…」

不意に聞こえたのは幼い女の子の声…

私とAは顔を見合わせ、凍り付きました。

声を押し殺し、私は大きなタンスに、Aは押し入れに隠れました。

タンスの隙間から見たソレは赤い着物を着た足のない女の子でした。

一目見てこの世のモノではないと確信しました。

ソレは這いずるように「どこぉ」「遊ぼぉ」と言いながら、Aが隠れた押し入れに近付きました。

不意にケータイの着信音がタンスの中に鳴り響きました。

それは紛れもなく私のケータイ…

私は震える手でケータイの着信音を止め、再びソレを確認しました。

ソレは目の前に…

「…見ぃーつけた…」

血の気が引いたような青白い顔、血の涙を流し、不気味に笑った口元には血に濡れた歯が覗いていた。

怖い話投稿:ホラーテラー 狐の嫁入りさん  

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