前にも投稿させてもらっているものですが、今回も私が体験した話を投稿させてもらいます。
怖くないうえに長いのですが、自分が体験した気持ちで読んでいただけたら幸いです。
その日は朝から雲っていて
少し肌寒い日でした。
午後から彼女と遊ぶ約束をしていたので、準備をして11時くらいに電車に乗り出かけました。
待ち合わせ場所について、ふたりで買い物をしたりカラオケをしたりと時間は過ぎていき
気がつけば午後11時を過ぎていました。
夜道はぶっそうなので、彼女をマンションまで送り届け
最終の電車に乗り家に帰っていました。
自分の駅につき、歩いて帰っている途中
人通りも街灯もない暗い道に差し掛かったころ
向こう側からコツコツという足音とともに、少し背の低い女の人が歩いてきていて
『こんな時間にぶっそうだな』と思いながら女の人とすれ違いました。
しかし、コツコツという足音は遠ざかるばかりか
後ろにピッタリくっつくような感じで着いてくるのです。
思いきって振り返ると、さっきすれ違った女の人がいました。
かなり驚きましたが、『びっくりしては失礼だ』と思い
平静を装いながら
「なにか用ですか?」と聞くと
小さな声で「道を教えてほしい」と言うのです。
『この辺の人じゃなくて、迷ったのかな』と思い
「いいですよ、どこですか?」と聞くと
「○○ ○○(人の名前)」
それを聞いたとたん、適当な道を教えて足早に家まで帰り
家に着くとスグ彼女に「鍵をして、今日は誰か来ても絶対に居留守をしろ」と電話をしました。
彼女はワケがわからないといった様子でしたが
「わかったよ」と言い、私は安心して眠りにつきました。
その日の夜中3時ごろ
彼女からの電話で起こされました。
電話に出ると、彼女は怯えた様子で
「誰かがチャイムを押してる」と言うのです。
確かに電話ごしに「ピンポン、ピンポン、ピンポン」とチャイムを鳴らす音が聞こえ
「ガチャガチャ」と乱暴にドアノブを回す音も聞こえてきたのです。
『あの女が来たんだ!』
私はそう思いました。
もうお分かりだと思いますが、「○○ ○○」とは彼女のことだったのです。
『デタラメな道を教えたのにどうして?!』そう思いましたが、そんなこと考えている場合じゃありません。
彼女はパニックになっており、なにもできないで泣きじゃくっていました。
家から彼女のところまで遠く、どうすればいいか考えていると
ふと頭の中に1つの考えが浮かびました。
泣きじゃくる彼女をなんとかなだめ、「携帯の音量を上げ、ハンズフリーにしてドアの近くに投げろ」と言うと
怯えながらもドアの方に携帯を投げてくれました。
携帯を投げたのを確認すると「△△ですけど、どちらさまですか?」と電話ごしに言ってみました。
するとチャイムもドアノブも回す音がしなくなり
しばらく静かになったあと、コツコツという足音が遠のいて行くのが聞こえました。
次の日すぐに会いに行くと目は腫れていましたが、彼女に怪我もなにもなくほっとしました。
もし、夜道でコツコツと言う足音が聞こえ、道を聞かれたら
気をつけてください。
あなたの大切な人に危害が及ぶかもしれません。
怖い話投稿:ホラーテラー ゆ○す○さん
作者怖話