短編2
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ブルーハワイのかき氷

今日さぁうちの町、お祭りがあってね。まぁ地方の町だから規模は小さいんだけど。

ついさっきまで、ずっとこのホラーテラーとかいうサイトにのめり込んでたせいもあって、もう21時。祭りが1番盛り上がってる頃かな。

社会出てから自分の町のお祭りに行ってないぞ。と思った。

てか社会出てから自分の町のお祭りのかき氷食べてないぞ。と思った。

ムラムラして何故だろうね。急に「ブルーハワイのかき氷を食べなきゃいけない」という使命感を感じはじめた。

屋台まだやってるかな。母親にもクレープかなにか買ってあげなきゃ。

そんな思いを胸に青年は家を出た。

現場に着いたら、まぁ分かってた事だけど中高校生カップルが沢山いた。

へっ。馬鹿野郎。俺はナンパ目的でお祭りに参加するんじゃないぜ。かき氷目的で参加するのさ。

だから1人なの。つか補導員ども何やってんだよ酔っ払ってるぞ、あいつらぁあ‥‥ちゃんと注意しろよぉお‥‥ガキ達の非行止めろよぉ‥‥!!?

‥‥あ、屋台。あった!まだやってた!

ヨッシャーーーー!!!

「すみませーん!!ブルーハワイお願いします!!」

「大盛りもあるんだよ」

ウハァーーーー★★★★!!

大盛りで!!!!

700円かぁー‥‥ちょっと高いかなあ?エヘ。ま‥‥いっかぁ?わし、これで極楽ぢゃわぃい♪

うわぁぁー‥‥★ちょっと思ったより大盛りなんだね。カップの高さと同じくらい盛られてるよ(笑)スゴい、あのおっちゃんマジ良い人なんですけど。

母親のクレープも買って、帰りながら僕はブルーハワイかき氷大盛りにむしゃぶりついた。

ひゃはぁーっ★

おいしいよぉ♪おいしいよぉ♪おいしいよぉ♪おいしいよぉ♪

おいしいよぉ♪マジ、シロップにたどりつけないぐらい大盛りだよー(笑)

しばらくして家に着いた。

母親にクレープを手渡した。

「ありがとねー♪」

「あ。母さん‥‥うん」

「かき氷は?おいしかったの?」

「はは‥‥何かさ。シロップが入ってなかったよ」

俺は完食したかき氷カップを左手に、干物みたいな顔つきで母親の横を通り過ぎた。

「8割食べてようやく気づいちまったよ。俺」

そう。恐ろしい話である。この日、俺が700円かけて食べていたのはブルーハワイかき氷ではなく‥‥

【細かい氷くずカップ大盛り】

だったのだ。

「母さーん。ジュースか何かあるー?」

「ちょっと待っててー」

「前向きにいこ。ジュースかけよっと★」

「ないよー?」

「お醤油は?」

「あるよ」

「お醤油かけよっと★」

怖い話投稿:ホラーテラー 渡辺広之さん  

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