今日さぁうちの町、お祭りがあってね。まぁ地方の町だから規模は小さいんだけど。
ついさっきまで、ずっとこのホラーテラーとかいうサイトにのめり込んでたせいもあって、もう21時。祭りが1番盛り上がってる頃かな。
社会出てから自分の町のお祭りに行ってないぞ。と思った。
てか社会出てから自分の町のお祭りのかき氷食べてないぞ。と思った。
ムラムラして何故だろうね。急に「ブルーハワイのかき氷を食べなきゃいけない」という使命感を感じはじめた。
屋台まだやってるかな。母親にもクレープかなにか買ってあげなきゃ。
そんな思いを胸に青年は家を出た。
現場に着いたら、まぁ分かってた事だけど中高校生カップルが沢山いた。
へっ。馬鹿野郎。俺はナンパ目的でお祭りに参加するんじゃないぜ。かき氷目的で参加するのさ。
だから1人なの。つか補導員ども何やってんだよ酔っ払ってるぞ、あいつらぁあ‥‥ちゃんと注意しろよぉお‥‥ガキ達の非行止めろよぉ‥‥!!?
‥‥あ、屋台。あった!まだやってた!
ヨッシャーーーー!!!
「すみませーん!!ブルーハワイお願いします!!」
「大盛りもあるんだよ」
ウハァーーーー★★★★!!
大盛りで!!!!
700円かぁー‥‥ちょっと高いかなあ?エヘ。ま‥‥いっかぁ?わし、これで極楽ぢゃわぃい♪
うわぁぁー‥‥★ちょっと思ったより大盛りなんだね。カップの高さと同じくらい盛られてるよ(笑)スゴい、あのおっちゃんマジ良い人なんですけど。
母親のクレープも買って、帰りながら僕はブルーハワイかき氷大盛りにむしゃぶりついた。
ひゃはぁーっ★
おいしいよぉ♪おいしいよぉ♪おいしいよぉ♪おいしいよぉ♪
おいしいよぉ♪マジ、シロップにたどりつけないぐらい大盛りだよー(笑)
しばらくして家に着いた。
母親にクレープを手渡した。
「ありがとねー♪」
「あ。母さん‥‥うん」
「かき氷は?おいしかったの?」
「はは‥‥何かさ。シロップが入ってなかったよ」
俺は完食したかき氷カップを左手に、干物みたいな顔つきで母親の横を通り過ぎた。
「8割食べてようやく気づいちまったよ。俺」
そう。恐ろしい話である。この日、俺が700円かけて食べていたのはブルーハワイかき氷ではなく‥‥
【細かい氷くずカップ大盛り】
だったのだ。
「母さーん。ジュースか何かあるー?」
「ちょっと待っててー」
「前向きにいこ。ジュースかけよっと★」
「ないよー?」
「お醤油は?」
「あるよ」
「お醤油かけよっと★」
怖い話投稿:ホラーテラー 渡辺広之さん
作者怖話