短編2
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聞いてた話と違う

目覚めたのは昼間

13時ちょっと前

いつもならまだ余裕で寝ている時間

無駄に目が冴えベッドでゴロゴロしていた

左耳にパァン!とラジオ電波のような音が大音量で飛び込んできた

耳が痛かった

吐き気?

全身の毛が逆立ちサワッと冷たい感じが下から上に来る感覚

ヤバい!金縛りになる!と瞬間で分かった

人生初の金縛りだ

金縛りは医学で解明されている。気合いで解き放てるかも!と思い全身に力を入れた。

フワッと体が起き上がり変な体勢のままベッドの下に落ちた。体は動かない

テーブルの下にミルが居た。ミルは昔 実家で飼ってたネコ。野良犬に噛まれ死んだネコ。

あ!ミルだ!

なぜかソコにミルが居るコトを不思議に思わなかった

女の声で

『お前のせいだ』とミルは繰り返し喋った

なぜかネコが喋るコトを不思議に思わなかった

それよりも

何が俺のせい?と考えていた。

ミルはオッサンの声に変わり怒鳴りはじめた

声量が大きすぎて何を言ってるのか解らなかった

それよりも寒かった

凍死するんじゃないかと本気で思う程 身体が寒い

布団に戻らないと死ぬ!と思った時 身体が動くコトに気付いた

俺は布団に潜った

布団の上に何か乗ってきた

久々のネコの重さ

ミルだと分かった

が、まだ身体が暖まらない。布団に潜ったまま手を突き上げミルを落とそうとした。

突き上げ手を捕まれた

直感で女だと分かった

恐怖がこみあげてくる

ミルがいるはずもない

この寒気も異常

急に怖くなった

殺される…

本気で思った

うぉぉぉ!と雄叫びをあげながら布団をハネ上げマウントポジションをとった

声を出さないと胸が潰れそうだった

女は黒髪ロングのストレートで黒いTシャツ、デニムのスカート スカートの下は黒いパンツを履いていた

三発は顔面を殴っただろう

女は顔は玉子の様にツルッとしていた

目も鼻も口もないのっぺらぼう

俺は人生初の悲鳴を上げた。布団に潜り何かに謝った。知る限りの神に救いを求めた

発狂しそうだった

何も起こらない

ミルの気配も女の気配もない。

それでも数時間 布団に潜ったまま震えていた

金縛りはコレ一度だけ

聞いてた金縛りの話とだいぶ違うけど俺 大丈夫かな?

怖い話投稿:ホラーテラー 悪魔とダンスさん  

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