追っかけられていた
女は嬉しそうだった
巫女家計最強のA
(『牛と死神』参照)
『自分が気付くよりアッチの方が早かったんです』
歩道橋を渡っていた
女は柵の上に立っていた
『突然、現れたんスヨ。気付いた時は見下ろされていました』
『突然現れるパターンは無かったんで一瞬で狙い撃ちだと理解しました』
『女(霊)は粘着するんで苦手なんですよ』
危機を感じ走って逃げるA
追ってくる女
『家は女家系ですから家までは入って来なかったですね』
毎度
歩道橋周辺で現れる女
その度 家まで追われる
理由は分からない
そんな日々
徐々に慣れた
いつしか女は現れなくなった
『しばらく経って近所に飯屋がオープンしたんです。で、彼女連れて食べに行ったんですよ』
『居たんですよ。その店に。歩道橋の女が…』
Aと同じ歳くらいのウェイターに女は憑いていた
女は嬉しそうな顔をしてた
『もう、その店には行ってないですけど。
ぶっちゃけあのウェイターは死ぬと思います』
怖い話投稿:ホラーテラー 悪魔とダンスさん
作者怖話