短編2
  • 表示切替
  • 使い方

ミロクさんの台

大阪市在住の22歳大学生です。

これは、大阪市大正区大正駅前のパチンコ店で僕が働いているときの話です。

現象1

「不気味な声。」

夜のパチンコ店は11時に閉まります。僕はそのとき帰る準備をしていました。

ふと、休憩室兼景品置き場のテレビを消すと、声が聞こえてきていることに気付きました。

泥棒が侵入しても大丈夫なように、店員は警棒を持っています。

私は、声のする方へ音を立てないよう、ゆっくりと話し声のする方向へ行きました。

「誰だ!」

私は震える声で叫びました。

懐中電灯の光は、ポスターを照らしているだけでした。

私は嫌な感じを覚え、すぐに帰りました。

現象2

「白い影が。」

「おい、これなんだ!?」そういったのは同僚のAです。

同僚のAは、毎朝昨日の夜の分の監視カメラの映像をチェックしています。

僕はAに促され、モニターを見ました。

右端の時間帯が1:00になったときです。

画面左端の『海物語』の台の付近で白い影が映っていたのです。

「蛾じゃないか?」

「そんなはずはない!だって、蛾だとしたらなぜ、光っているんだ!?」

「光る蛾だっているさ。」

「じゃあ、なんでだ?」

「は?」

「じゃあ何で毎日同じ時間に映るんだ!?」

他の三台のモニターは同じ画面なのに、日付が違っていた。

現象3

「369の台。」

一人の男子学生を見て店長は言った。

「あいつ、来なくなっちまえばいいんだ。」

そういう店長は室井管理官5人分ぐらいの渋い顔をしている。

「なんでですか?」と僕が聞くと、

「例の台に座ってやがんだ。」

例の台とは369番の台のことだ。

「フィーバーしなかったらいいけど。」

僕はそういった。

とたんにフィーバーが始まった。

「畜生、やりやがった。」と、店長が言ったのを僕は聞き逃さなかった。

次の日から男子学生が来なくなった。

一週間ぐらいして、隣のそば屋の店員が例の台でフィーバーした。

その後、昼休みに救急車がきた。

店長に何か知らないか聞いたところ、

「そばで滑りやがった。」

と言った。

後で聞いた所によると、あのそば屋の店員が出前からかえってきたときにそばで滑ったらしい。

しばらくは元気だったが、気分が悪くなって休憩し、そのまま動けなくなったらしい。

店員は助からなかった。脳内出血だった。

最後に。

僕は、その店を5ヶ月でやめた。気持ち悪いと思ったから。

店長は最後に、僕に一言言った。

「あそこはミロクさんの台なんだよ。」

確かに番号はそうである。

怖い話投稿:ホラーテラー 某パチンコ店店員さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ