短編2
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呼ぶ声

よく「玄関からまっすぐに階段がある家は霊が通る」といいます。

そういう家に住んでいる女の子に聞いた話です。

ある日女の子が学校から帰ると母に買い物に行くから留守番してと頼まれました。

女の子は留守番することになり、二階にある自分の部屋へ行きました。

母が買い物に行ってから暇つぶしをしていたらいつのまにか寝てしまっていました。

女の子は起きて少しベッドの上でぼーっと何もせずにいると一階からかすかに声がするのに気づきました。

その声はだんだん近づいてきてその声の主と何を言ってるのかがわかった。

母の声で「加奈ー」と女の子を呼んでいたのです。

女の子は寝起きで返事するのもめんどくさかったので無視しました。

声は一階から少しずつ二階へと近づいてきました。

そこで女の子は不振に気づきました。

ひとつは普通用があってもそんなに名前を連呼しないだろうということ。

ふたつめは声が近づくにつれてだんだん低くなっていること。

声は止まることなく女の子の部屋に近づいています。

そして部屋の前まで来たときにはもうすでに母の声じゃなく、男の人の不気味な声に変わっていました。

とにかく部屋から逃げなきゃと思い、ベランダ伝いに隣にある姉の部屋に逃げました。

隣ではドアノブがカチャリとまわりドアが開く音が聞こえました。

逃げといてよかったと安心しているとどこからか視線を感じました。

それは窓の外からだと気づき窓を見ると窓の外に血まみれで右目玉がなく左目が釘で刺され、歯のない歯茎をむき出して笑っている男の顔がありました。

しかし部屋は二階、姉の部屋にはベランダはなく立っていられるはずないのです。

女の子は反射的に窓のカギを閉めたのと同時に男が窓をものすごい力で開けようとしました。

カギを閉めるほうが早かったため助かりました。

そのときちょうど母が帰ってきました。

そして助けてもらおうと女の子が母を大声で呼ぶと二階に来て姉の部屋に来ました。

その瞬間女の子の悲鳴が家中に響きわたり女の子は気絶しました。

なんと母の顔があの男と全く同じようになっていたのです。

しばらくして母に起こされ事情を説明したところ、この家に住み始めた頃からそういうことは度々起こったことがあってお祓いしたがちょうどその効力が切れたらしいと、母がすぐにお坊さんを呼びお祓いをしてくれました

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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