私の学校では毎年夏にキャンプに行きます。この話は、そのキャンプ場に伝わる怖い話です。
そのキャンプでは、毎年必ず肝試しをします。
肝試しは、男女1人ずつペアになって、山の中のお寺からスタートし、途中にあるお堂でお札をとって、キャンプ場に帰ってくる、というコースになっています。
今から5年ほど前のことです。
もちろん、その年にもキャンプはあって、肝試しもありました。
その年の肝試しの最後のペアは、Aちゃんという女の子とBくんという男の子でした。
お寺を出発し、お札もとって、あとはキャンプ場に戻るだけです。
暗い山道を歩いていると、突然Bくんがいなくなってしまいました。
Aちゃんは、びっくりして、急に怖くなり、急いでキャンプ場に戻ろうとしました。
すると、突然木の陰からBくんが飛び出してきました。Bくんは、Aちゃんを驚かせようとして、隠れていたのです。
Aちゃんは驚いたけど、ほっとして、Bくんを
「もう、やめてよ!」
と言って、突き飛ばしました。
でも、Aちゃんは知らなかったのです。
2人が歩いていたのは、ちょうど、山道が崖に面するあたりでした。
Bくんは崖に落ちてしまったのです。
Aちゃんは、怖くなって走ってキャンプ場に帰りました。
わざとではなかったといえ、人を殺してしまったかもしれないのです。怖くて怖くて、Aちゃんは、Bくんを崖に落としてしまったことをついに先生に言えませんでした。
先生が、全員そろっているか確認するために、名前を呼びました。
Bくんの名前が呼ばれたとき、Aちゃんはぎゅっと目を閉じました。
そのとき、ふっと電気が消えました。
電気がついたとき、Aちゃんはいませんでした。
心配した先生たちが探しに行くと、AちゃんとBくんが見つかりました。
BくんがAちゃんの足首をぎゅっと握った体勢で、崖の下で、2人とも死んでいたそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー ナギさん
作者怖話