短編2
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黒い部屋

僕のばあちゃんの家には、絶対開けてはいけない部屋がある。

僕が小さな時、その部屋のことを聞いた時、いつもは温厚なばあちゃんが、凄い怖い顔して怒った。

それ以来、その部屋ドアの前には近づかなかった。

中3の夏休み、僕らはいつもの様にばあちゃん家に遊びに行った。

ばあちゃんの家に泊まり、僕が昼頃起きて、居間に行くと、誰もいなかった。

ばあちゃんは畑、母さんは町に買い物らしい、

ふらふらと廊下を歩いてトイレに行く途中、廊下の奥の、例の部屋のドアを見つけてしまった。

(あの部屋て、何だろうな。)

僕は無性にドアを開けて見たくなった。

ギシギシ廊下を歩いてドアの前に行って見ると、かなり古いドアがあった。だけどとても頑丈そうだ。

僕は、ドアノブに手を伸ばし、回してみた。以外にも簡単にドアは開いた。

…うわー真っ暗だな!

最初はそう思った。

だけど違った、

真っ暗じゃなく、ペンキか何かで真っ黒に塗られてるみたいだ。

「なにこれ…」

僕は不気味な光景に、立ち尽くしていた。

その時、玄関で音がした、ばあちゃんが帰ってきたらしい、

「ヤバい閉めなきゃ」

と思った次の瞬間、

ばあちゃんがものすごい形相で走ってきた。そして部屋に入ってた僕の手を引っ張り部屋から出し、ドアを閉めた、

「キャェェェェェェェ何見たぁぁ…」

ばあちゃんは尋常じゃなかった…

「カギィィ してたのにぃぃ 何見たぁぁ…」

僕は怖くて、泣きながら、

「カギは開いてたよ、部屋は黒くて何も見えなかった。」

そう言った。

だけどばあちゃんは、僕の話なんて、何も聞かず、

「何見たぁぁ…

何見たぁぁ…

おそがらないでや

おそがらないでや」

ずっと呟いてた。

そしてそのまま自分の部屋で寝込んでしまった。

夕方、母さんが帰ってきて、この事を話と、母さんも見たこともない険しい顔して、

「あなた、あの部屋で何か見たの?

正直に答えなさい!」

なんて言われて…

僕が真っ黒で何も見えなかったことを話と、安堵の顔を見せて、

「良かった…」

と呟いた。

僕が、

「あの部屋なんなの?」

と聞くと、

母さんは、

「知らなくていいの」

と教えてくれなかった。

今年の春、ばあちゃんは亡くなった。

山にあるばあちゃんの家はまだそのままだ。

あの部屋は一体なんなんだろうか…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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