僕のばあちゃんの家には、絶対開けてはいけない部屋がある。
僕が小さな時、その部屋のことを聞いた時、いつもは温厚なばあちゃんが、凄い怖い顔して怒った。
それ以来、その部屋ドアの前には近づかなかった。
中3の夏休み、僕らはいつもの様にばあちゃん家に遊びに行った。
ばあちゃんの家に泊まり、僕が昼頃起きて、居間に行くと、誰もいなかった。
ばあちゃんは畑、母さんは町に買い物らしい、
ふらふらと廊下を歩いてトイレに行く途中、廊下の奥の、例の部屋のドアを見つけてしまった。
(あの部屋て、何だろうな。)
僕は無性にドアを開けて見たくなった。
ギシギシ廊下を歩いてドアの前に行って見ると、かなり古いドアがあった。だけどとても頑丈そうだ。
僕は、ドアノブに手を伸ばし、回してみた。以外にも簡単にドアは開いた。
…うわー真っ暗だな!
最初はそう思った。
だけど違った、
真っ暗じゃなく、ペンキか何かで真っ黒に塗られてるみたいだ。
「なにこれ…」
僕は不気味な光景に、立ち尽くしていた。
その時、玄関で音がした、ばあちゃんが帰ってきたらしい、
「ヤバい閉めなきゃ」
と思った次の瞬間、
ばあちゃんがものすごい形相で走ってきた。そして部屋に入ってた僕の手を引っ張り部屋から出し、ドアを閉めた、
「キャェェェェェェェ何見たぁぁ…」
ばあちゃんは尋常じゃなかった…
「カギィィ してたのにぃぃ 何見たぁぁ…」
僕は怖くて、泣きながら、
「カギは開いてたよ、部屋は黒くて何も見えなかった。」
そう言った。
だけどばあちゃんは、僕の話なんて、何も聞かず、
「何見たぁぁ…
何見たぁぁ…
おそがらないでや
おそがらないでや」
ずっと呟いてた。
そしてそのまま自分の部屋で寝込んでしまった。
夕方、母さんが帰ってきて、この事を話と、母さんも見たこともない険しい顔して、
「あなた、あの部屋で何か見たの?
正直に答えなさい!」
なんて言われて…
僕が真っ黒で何も見えなかったことを話と、安堵の顔を見せて、
「良かった…」
と呟いた。
僕が、
「あの部屋なんなの?」
と聞くと、
母さんは、
「知らなくていいの」
と教えてくれなかった。
今年の春、ばあちゃんは亡くなった。
山にあるばあちゃんの家はまだそのままだ。
あの部屋は一体なんなんだろうか…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話