短編2
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悪意の鏡

俺は、悪いことを繰り返し、ついに母ちゃんから愛想尽かされて、ある寺に預けられることになった。

寺には、俺みたいな奴が2人と、坊主が一人あとは住職らしきおっさんがいた。

住職らしきおっさんが言った。

「よく来ましたね、あなたはここで、自分がどうあるべきか、見つめ直さなければなりません。」

俺は、

「出た!お決まりのセリフだ。」

なんて心の中で思ってた。

すると、住職みたいなおっさんは、俺に手鏡を渡してきた。

骨董品のような古い鏡だ。

「この鏡はね、人の悪意をうつしだす鏡です。夜中の12時に、鏡を見て見なさい、人の悪意を見ることができるでしょう…」

「マジかよ!悪意なんて見たかねぇ。」

俺は冗談半分で話を聞いてた。

夜12時、俺は言われた通り鏡を見た、

そこには…

普通の俺の顔しかなかった。

(バカらしい、何が悪意だ!)

俺は呟き、明日からどうするかなと考えながら眠りについた。

朝、誰にも起こされることなく、昼前に起きた俺は、腹が減ったので、おっさんを探した。

おっさんは、居間にいた。

ビールを飲みながら、競馬新聞を読んでいた…

「あのー、腹へったんですけどぉ。」

俺が言うと、おっさんは、

「うるせえなあ、お前に食わせるもんなんてねぇよ。」と言った。

俺は耳を疑った…

えっ!これが昨日の住職?

そう思ってしまうほどの変わりようだ。

おっさんは言う、

「後ね、ここからは逃げられないからね。」

俺は、めちゃくちゃ頭にきて、

「ふざけるなよ!お前金を母ちゃんからもらってるんだろ。」

そう言って、掴みかかろうとすると、昨日の坊主がフイと出てきて俺を投げ飛ばした。

「イッテェェなぁ」

俺が言うと、おっさんは、

「コイツ柔道3段ね、あと空手2段。」

と笑った。

そして、又ビールを飲みながら競馬新聞を読みはじめた。

(ナンなのこれ…)

俺が戸惑っていると、坊主が首で「こっちこい」と言う仕草をした。

ついて行くと、本堂らしき場所に連れていかれた。

そして、坊主は俺に雑巾らしきものを渡して、ボソボソと喋り出した。

「ここ、全部ふけ、お釈迦様もふけ、床もふけ、きれいにしないと、メシ、無し。」

かなり広い…

銅像もデカイ…

「マジで、俺一人でやるの?」

そう聞くと、坊主は

「俺、パチンコ行く、お前、全部やれ。」

おい!…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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