僕は、仕事が遅く終わる会社なので、最終電車によく乗ります。
田舎にあるその駅は、最終電車の時間になると、人がほとんどいません。
入社したての頃、最終電車の寂しい駅のホームに立っていると、
いきなり背中を(ドン!)と押されました。危うく線路に落ちてしまう所でした。
びっくりして、後ろを振り返って見ましたが誰もいません。
その時、どこからか声が聞こえました。
「ははは…ゴメン、ゴメン…」
陽気な男の声です。
その時は、なんだか凄く怖くて、(早く電車が来てくれ…)と怯えてました。
ところが、その声は、2・3ヵ月に一回、決まって聞こえてくるのです。
ある時は、階段を降りてる途中、背中を押されたり、
ある時は、電車の扉が閉まる瞬間、手を引っ張られたり、
そのたび決まって、陽気な男の声で、
「ははは…ゴメン、ゴメン…」
そう聞こえてくるのでした。
会社にもだいぶ慣れて、先輩とちょっと飲んだ帰り道、いつもの様に最終電車を待っていると、また後ろから
(ドン!)
押されました。
酔っていた僕は、少し気が大きくなっていたのか、
「いい加減にしろ!」と怒鳴ってしまいました。
すると、あの声が聞こえて来ました。
いつもと同じ、陽気な男の声…
「ははは…ゴメン、ゴメン…
… 次は殺すね…」
次の日から、不便ですが、バスと自転車で通勤しています。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話