短編2
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鬼の掛け軸

これは、早朝、私が実際に体験したお話です。

怖いかどうかは分かりませんが、自分は本気でヤバかったです。

おそらく4時〜5時頃。

夢うつつ、起きかけた時だった。

頭の中にお父さんの声が響いた。

「鬼の掛け軸を持った奴が来たら、『嫌だ』と言い続けなさい」

そうして、間もなく奴が来た。

鬼の掛け軸を持っていた。

だから、『嫌だ』と言った。

口で言ったのか、頭の中で言ったのか定かではない。

目以外はすべて麻痺したような感じで動けなかったから。

何かを探しているような感じで小一時間私を問いただした。

奴は、私に何度も脅すように何かを要求した。

けれど、言われた通り『嫌だ』と言い続けた。

いつの間にか目に映るのは部屋の風景で、私は完全に起きていた。

しかし、やはり目以外は動かず、聞こえて来るのは気味の悪い、この世の者ではない声。

きっと、探し物は私が持っていた。

それがなんだか分からないけど、直感で分かった。

何を言われても、『嫌だ』と言い続けた。

そしたら、布団の中の左手に、何か持っていたらしい。

それが奪われた感触がはっきりとした。

「今回はこれで勘弁してやる。次は死ぬぞ」

そう言って奴は帰った。

扉を開け、閉める音が響いた。

向こう側へ続く扉だと思う。

だって、私の部屋には、引き戸などないのだから。

たぶん、とられたのはリク(最近死んだ我が家の愛猫)の魂だ。

昨日まで、なんとなく感じていた存在がなくなった。

ひとりじゃない感じ、それがなくなった。

一年以上前にも、同じようなことがあった。

母が死んで10日程経った頃のことだ。

ふたりの女の子が、私の魂を連れていこうとした。

しかし、「今回は見逃してあげる」そう言って暗闇へ消えた。

女の子特有のあのクスクス笑いがまだ頭に残ってる。

今まで不思議現象には何度か遭遇したけれど、今回の、ガチで怖かった…解放された瞬間、隣のお父さんの部屋に飛び込んだ。

夢だと言われたけど、絶対に夢なんかじゃない。

奴らは、何かを探してる。

でもそれが何なのか、なぜ私が持っているのか、わからないままである。

怖い話投稿:ホラーテラー 桜涙さん  

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