だいぶ前の話しだが
会社の先輩(R)が
やんちゃな方で、よく心霊スポット巡りをしていた。
毎週休日あけはその話しを聞くのが楽しみになっていた。
ある日先輩は、飲み会の後数人の仲間で心霊スポットへ行き、慰霊塔?のような場所に自分の名刺を置いてたと自慢気に話していた。
「酔ってたからってそんなことしちゃダメですよ」
「ちゃんと拝んで来たし
大丈夫だって〜」
なんとも適当な人である。
そんな話しを聞いた次の日の事。
私は会社の受付けの女の子からの電話を取った。
「Rさんいますか?」
「今出てますね、お客さんですか?」
「いや届けものがあったので・・」
「じゃあ私が取りにいきますね」
こんなやりとりをして、
私は受付へと向かった。
「あの・・・これなんだけど・・」
手渡された物は先輩の名刺一枚。
・・・・?
「・・・これが届けものですか?」
「うん。」
名刺一枚をわざわざ会社まで届ける人は今時いるだろうか。
嫌な予感が胸をよぎった。
「どんな方でした?」
思わず聞いてしまった。
「それが・・話ししたのははっきり覚えてるし、来たのも確実なんだけど、二人とも思い出せないの」 と不思議そうな顔をしていた。
きっとこの前の場所から来たんだと、私は勝手に思った。というか確信した。
外回りをしていた先輩が帰ってきたので、名刺を渡すとギクっとしたような顔をした。
なんか恐くなってその前後の詳しい話しとか聞けなかったが、先輩は会社をやめた。理由は分からない。
だけど激ヤセしてすごく
心配だった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話