短編2
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名刺

だいぶ前の話しだが

会社の先輩(R)が

やんちゃな方で、よく心霊スポット巡りをしていた。

毎週休日あけはその話しを聞くのが楽しみになっていた。

ある日先輩は、飲み会の後数人の仲間で心霊スポットへ行き、慰霊塔?のような場所に自分の名刺を置いてたと自慢気に話していた。

「酔ってたからってそんなことしちゃダメですよ」

「ちゃんと拝んで来たし

大丈夫だって〜」

なんとも適当な人である。

そんな話しを聞いた次の日の事。

私は会社の受付けの女の子からの電話を取った。

「Rさんいますか?」

「今出てますね、お客さんですか?」

「いや届けものがあったので・・」

「じゃあ私が取りにいきますね」

こんなやりとりをして、

私は受付へと向かった。

「あの・・・これなんだけど・・」

手渡された物は先輩の名刺一枚。

・・・・?

「・・・これが届けものですか?」

「うん。」

名刺一枚をわざわざ会社まで届ける人は今時いるだろうか。

嫌な予感が胸をよぎった。

「どんな方でした?」

思わず聞いてしまった。

「それが・・話ししたのははっきり覚えてるし、来たのも確実なんだけど、二人とも思い出せないの」 と不思議そうな顔をしていた。

きっとこの前の場所から来たんだと、私は勝手に思った。というか確信した。

外回りをしていた先輩が帰ってきたので、名刺を渡すとギクっとしたような顔をした。

なんか恐くなってその前後の詳しい話しとか聞けなかったが、先輩は会社をやめた。理由は分からない。

だけど激ヤセしてすごく

心配だった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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