短編2
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強すぎる母(2)

母の声が聞こえてきました…

「あんたさぁ~うちの娘の足に乗ってどういうつもり」

「うちの娘になんかしたら許さないよ」

息を殺すように…

けれど喧嘩ごしで…話す母…

ん

母さん誰と話してるの

確かめたくて目を開こうとしましたがなかなか開かず

やっとの思いで目が開きました。

私が目を開けようと格闘している間も母はコソコソ…しかし喧嘩ごしで誰かと話をしていました

「うちの娘になんの恨みがあんのよ」

「……………」

「うんうん」

「……………」

「うん、それで」

「…………………………」

「あぁそう」

「でもさぁ~そんなウジウジした考えだから成仏できないんじゃないの」

と…

人生相談のような会話でした

実際私には母の声しか聞こえませんでした。

やっとの思いで目を開けて…

目玉を右横の母の方へ向けました

母は、私の右隣に敷いた布団の上に座っているようで…

顔は私の足下へ向かっていました。

さらに目玉を動かし自分の足下を見てみると…

うつむいた女性がいました

寂しそうな顔でした。

母は更に話しを続け…

「うちの娘は今、妊娠中なのよ」

「怖がらせると体に悪いからさぁ~」

「娘が寝てる間に悪いけど消えてちょうだい」と言っていました。

母は私が起きてるのに気付かなかったみたいでした

しばらくすると…

その女性も納得したのか…

次に足下に目をやった時には消えていました。

ふっと、足が軽くなり、「母さん」と、声を出すこともできるようになりました。

「あぁ起こしちゃった」

「うん」

「ずっと見てた…」

「そう…でももう心配いらないから寝なさい」

「母さんずっと起きててやるから」

その言葉を聞いて安心して眠りに着きました。

朝目覚めると…

母さんはグッスリ眠っていました

え

ずっと起きてるって言ったよね

まっいいか(笑)

後になって母にあの女性の話を聞きました。

「昨日の女性…何か恨みを持って成仏できないの」と聞くと…

「うんそうみたい」

「裏切られて辛い思いをしたみたい」

「どんな」と聞くと…

「そこまではプライベートな話だから言えない」と言っていました

「可哀想だから」と言っていました。

母は厳しくて…

怖くて…

強すぎるけど…

良い人です

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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