短編2
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大奥の怪談

「大奥」は徳川将軍の住んでいた江戸城に存在した、将軍夫人や側室(妾)、大勢の女中達が、将軍の世継ぎ育生を名目とした女だけの城です。

その大奥に11代・家斉時代に、名は不明の一人の女が奉公に上がりました。

女はこの時、恋仲にあった男との子供を宿していましたが、女は妊娠に気付かないまま大奥へと勤めに出たのです。

女は将軍夫人に仕える初山という上級女中の下女として働いていましたが、やがて妊娠に気付き焦りました。

「将軍様のお手付きでもないのに、子供を妊娠している事がしれたら、大奥を追い出されてしまう!」

大奥奉公は当時の女性達の誇りでした。大奥から追い出されてたくない女は、妊娠を隠し続けました。女は元々ふくよかな体型だった為、妊娠を気付かれる事はありませんでした。

そしてある日の深夜、女は産気づき、トイレ(下用所)で子を産もうと決意しました。

が、女は出産がばれるのを恐れてか、呆れた事に主人・初山の同僚・歌山のトイレで赤ん坊を産み落としたのです。

しかし女が産んだ赤ん坊を抱く事はありませんでした。

何故なら彼女は、井戸のように深い排泄穴の左右に足をかけ、赤ん坊を排泄物のようにその穴の中に産み落としたからです。

一瞬産声を上げた赤ん坊は、真っ逆さまに穴の中に落ちましたが、へそのうで繋がったままだったので、赤ん坊は宙をずりに。

女は慌てて、へそのうを手で思いっきり引きちぎりました。

赤ん坊は溝川に落ちたようなにぶい音を立てて、排泄穴の底へ沈んでいきました。

その後、下掃除人が大奥のトイレの糞尿を汲み上げていたところ、柄杓に女が産み落とした赤ん坊が汲み上がりました。

大奥は騒ぎになり、女中達が調べられると、すぐにあの女の仕業だとわかり、女は大奥から追放されました。

後の調べにより、女が産んだ子供は女の子だったとわかりました。

汲み上げた時にはへそのうも胞衣に繋がっていて、赤ん坊は真っ白に水ぶくれしていました。

赤ん坊が汲み上げられた時に女は、周りの女中達に混じって、我が子の死体を平然と見つめていたそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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