中学の時、塾に通ってた。
帰りは、九時くらいで、辺りは真っ暗だったけど、みんなで自転車で、帰るのであまり恐くなかった。
ある日、塾に行くと、授業前の教室はある話題でもちきりだった。
近くのマンションで飛び降り自殺があったらしい・・・・。
そんな悲惨なニュースも、子供達は好奇心で、不謹慎にも盛り上がる。
誰かが、「塾、終わったら見に行こうぜ」と言い出す。
おばけが出るかもとか、そんな恐いもの知らずの好奇心。
そして、塾が終わり、みんなで帰る事に。
やっぱり不謹慎な話をしながら、わいわいと自転車で走る。
「おい、本当に行くのか?。それって、どこのマンションなんだよ?。」と聞く俺。
よく考えたら、俺だけマンションの場所を知らない。
帰り道、遠回りになったら、嫌だなと思って聞いたのに・・・・みんな、突然、無口になって答えない。
それどころか、みんな自転車の速度を速める。
あわてて、一番後ろからついていく。
「待てよっ!。」
そう言った時に、ずるっと、何かに足をひっぱられた気がした・・・・。
ガシャン!。
思いっきり、自転車で横転する。
手の平とかを擦って、体も結構打ったみたいで、かなり痛い。
当然、友達が心配して来てくれると思ったのに、走り去っていく。
それどころか、「おい、何している!。早く、来いっ!。」と怒鳴る声がする。
なんだよ、おいっ。
ぶちキレながら、自転車に乗りなおし、追いかける。
ある程度まで行くとみんなで集まって、俺を待っていた。
「何やってんだよっ!。これから、自殺したってマンションの前に行くんだろっ?。」 「いやー・・・・だからさー・・・・そのマンションって、今通った道の左側にあったマンション。・・・・丁度、お前が転んだ辺り・・・・」
えっ。
マンションって、帰り道の途中にあったんだね・・・・違くて・・・・さっきの感覚はいったい?・・・・。
きっと、き、気のせいだよね?・・・・。
その後、みんなにその話をしたら、「そんな事、言うなっ!。」って、言われた。
・・・・みんな、恐かったんだね。
意気がってても、恐いものは恐い。
そんな話・・・・。
怖い話投稿:ホラーテラー 弥孤さん
作者怖話