あれは、俺がまだパチンコ屋で働いてた頃の話。
当時、仲の良かった後輩と午前二時頃、ドライブしてた。
瓶の中で妖精を育てたり(錬金術)してた異色の経歴を持つ不思議少女で、何故か(当然?)気が合った。
とはいっても、あまり二人でドライブした事が無くて、いざ、ふらふら車を走らせてると、話が妙に弾んで気付けばこんな時間に・・・・。
目的地の無いドライブと他愛も無い会話。
でも、全く同じ様な思考の二人だったので、いつまでも飽きる事なく、笑いながら話し続ける。
とある駅を通り過ぎた時。
・・・・何故か、突然の沈黙。
そして、助手席で、彼女が語りだす・・・・。
「ここら辺です。」
「何が?」
「昔、ここら辺で、同じ学校のコが、電車に飛び込んで自殺したんです・・・・」
さっきまでと違った、静かな口調で、話す。
「こんな時間にそんな話されたら恐いから、ヤメろよぉ」
冗談っぽく言う。
ヒトの言葉を無視して、さらに続ける。
「そのコ、いじめられてて、顔とかアザだらけだったんです。」
「・・・・」
「で、飛び込んだ時は、体とか全部グチャグチャになってて・・・・・。
でも、綺麗に残ってたんです。」
「・・・・何が?」
「後頭部なんかも吹き飛んでるのに・・・・・・・・綺麗に顔だけが」
「アザだらけの顔だけが」
ざわっとして、隣を見る。
!!。
アザだらけの顔がっ!。
「どうしたんですか?」
「・・・・嫌、何でもない・・・・。」
一瞬だけ、別人に見えた・・・・。
その後、普通に楽し気に話す一人と、普通を装う一人・・・・。
三十分程で解散・・・・。
ドライブ中の話は、選べ!。
そんな話。
怖い話投稿:ホラーテラー 弥孤さん
作者怖話