短編2
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絶対出ます

元カレが部屋を探していた時、お金がないからとにかく安い部屋を探してました。

なかなかいい部屋は見付からず、苛々しながら何件かの不動産屋で「自殺があった部屋でも住めたらいいから、どっかにないのか?」と聞いた。

ヤンキーだった元カレの迫力に負けた不動産屋は「あるにはあるんですが…敷金、礼金なしで月1万。ただし…絶対出ます」とある物件を紹介した。

その部屋は「自分は霊感がないから大丈夫!」「霊なんかいるわけない」等と言って入居しても、一ヶ月以内に出ていくそうです。

元カレは「霊が出るくらい構わないから、そこでいい」と即決しました。

それは入居したその日から始まりました。

ラップ音にはじまり、廊下を歩く音。

電気がチカチカ点滅。

テレビがついたり消えたりする。

「お~マジでいるな~」と最初は余裕でした。

何日かそんな感じで音はするのですが、姿は見えません。

何度か酔ってテーブルに酒やツマミを用意して「お~い。幽霊さ~ん。音ばっかり鳴らしてないで、出て来て一緒に飲もう~」と言ったそうですが、出てきません。

結局、彼も一ヶ月ぐらいで出たそうです。

私が「なんで?音だけで害がないなら、家賃1万なら良くない?」って聞いたら「いや、実際住んでみたら判るけど、あれは住めない。仕事から帰って寝ようと思ったらガタガタうるさいし、テレビも消されるからまともに見えね~」

「怖いから」じゃなくて「ゆっくり休めない」からキレて出て行ったそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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