短編2
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言い伝え―完

僧侶は

『この家では今後も男子は育たないと思われますが…12年毎に生まれる女子が馬の呪を受ける限り、他の家族は健やかに暮らせるでしょう』

では呪を受けた者は…

『…呪を受ける者の守護が強ければ命までは。しかし、何らかの傷痕と引き換えに何時か赦しを得るでしょう』

家に残らず嫁いだとしても12年、つまり同じ干支の女性に厄が生じると言うのです

母が沈みがちに言います

『お前は○子伯母さんの目を見た事があるかい?』

『?』そう言えばない…

『あれは…大晦日だった。あの子は家族に嘘をついて夜に家を出て行って…酔っ払いが喧嘩をしている場面を』

『ただ…その場に通りかかって覗いただけなのに』

『酔っ払いが勢い良く割ったビールの欠片が飛んで来て…』

『左の眼球が横に切れて…失明した』

『○子だけじゃない…従姉のト○エも左目が一時的に見えなくなった事がある。あたしだけはまだ怪我をしていないから…お前は大丈夫だと思ってたのに』

『左目を怪我や失明した女はみんな…同じ干支だった』

言われて見れば、私と母、おば、従姉はみな同じ干支でそれぞれ年が違う事を思いだしました

今では、その私の目蓋の怪我が血のつながる同じ干支の女の最後の怪我となっています

私より年若い同じ干支の女の子は生まれていません

いつになったら私達を馬が赦すのかはわかりませんが…私が夢で見た言い伝えの馬はとても立派で綺麗でした

私はその後24歳まで怖いことや不思議に思える出来事を経験しました

母は私を産むまで、何度か怖いことや不思議な体験をしたそうです

長くなりましたが怖い話しでなくてごめんなさい

怖い話はまたの機会に…

読んでくださった皆さん、お付き合いありがとうございました

怖い話投稿:ホラーテラー フクさん  

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