中編6
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平○の滝

あまり怖くないかもしれませんが自分はとてつもなく怖かった話です。

一昨年の5月くらいの事でした。

その日たまたま心霊スポットに久し振りに行こうという話になり、俺と彼女といとこといとこの彼女の4人で行くことになりました。

まだ地元から出て来たばかりで今住んでいる所の心霊スポットがわからなかったので携帯で調べてみると

平○の滝というS市で1番有名だと思われる場所が出てきました。

そのサイトには「昔男子トイレで焼身自殺をした人がいたらしく、そのトイレで焦げた臭いがしたらヤバイ」と書かれてあったのですが

全員「よくありがちな話だけどそんなことあるわけないだろ〜」

と言いながらうちから近かったのでとりあえず行ってみることにしました。

看板を頼りに1台の車で向かって行くとかなり山の奥の方まで進んで行きます。

しばらく1本道を進んで行くと下りながら左にUターンするような感じになりその先が駐車場になっていました。

向かって右側に滝に下りていく階段があったのでそこに車を止めてみんなで滝に向かって階段を歩いて行きました。

みんな霊感は持っていなかったのですが唯一俺の彼女が霊感のある人で滝に向かう間ずっと「誰かに見られてる感じがする」と言っていたのを覚えています。

でも特に何事もなく、写真も何枚か撮ったし寒かったのでそろそろ帰ろうってことになり車に向かいました。

すると滝の出口と車の延長線上にトイレがあるのが目に入りました。

俺「そういえばすっかり忘れてたけどここって滝よりトイレがヤバイんじゃなかった?」

その一言でトイレも行くことになったのですが駐車場に面してる側は女子トイレで、噂の男子トイレは裏の方に回り込まないと行けない形になっていました。

男子トイレで写真を撮ろうとしたのですがいざ目の前まで行くと誰もトイレに近寄ろうとしないんです。

しょうがないから

俺「じゃあ1人でちゃちゃっと撮ってくるわ!」

と男子トイレに行こうとしたら

彼女「ねぇ、やめた方がよさそうだよ…」

と言いながら腕を引っ張って止めるのです。

それを3mくらい後ろでいとこカップルが眺めてます。

俺「なんで?大丈夫だって、すぐ終わるから!」

彼女「なんかイヤな感じがするからやめた方がいいって!」

そんなやりとりをしてるうちに一瞬、なにかが焦げたような臭いが鼻をついたんです…。

髪の毛にライターで火を付けたときの焼けた臭いというか、ゴムが焼けた臭いというか…。

俺(あっ!ヤバイ!!)と思ったのですがそういうとき咄嗟に体って動かないんです!

振り返ってみるとその場の全員が固まってました。

その間2、3秒くらいでしょうか?

い彼女「ねぇ…なんか臭くない…?」

い「逃げろ!!!!」

いとこが逃げろって言うまで誰1人として動けませんでした。

みんなパニクったまま全力で車まで走り、すぐにその場を後にしました。

未だにあの臭いはなんだったのかはわかりません。

でも、確かにあの夜は寒かったのですがほぼ無風だったんです。

なのに4人全員が同じタイミングで同じ臭いを嗅いだのもよくわかりません。

その出来事があってすぐ山を下りたんです。

でも、肝心のトイレの写真撮ってない…って事に気付いてまた戻りました。

さすがにビビりながらトイレまで行き、何枚か写真を撮ってすぐ帰って来ました。

使い捨てカメラで撮ったのですが何枚か残っていたので部屋でも撮り、現像に出したんです。

次の日仕事に行くと先輩が

先「お前最近何かした?」

って言うんです。

先輩曰くどうやら俺が職場に行ってから空気が重くなったと…。

しかも顔がどす黒いって言うんです。

それからしばらく会う人会う人顔が黒いって言うんです。

特に体調が悪いわけでもなければ精神的に違和感があるわけでもないんですけどね。

その先輩は霊感がかなり強い人だったので

今度は先輩も一緒に行こうって話になったんです。

何日か経って次の日は仕事が休みだったので

俺と彼女と先輩となぜか俺の妹の4人でカラオケに行きました。

酒が回って楽しくなった俺達はこのノリで平○の滝にリベンジに行こうということになりました。

先輩の車(飲酒です…)で滝まで行き、また前と同じ所に車を止めてまずはトイレに行きました。

それまで楽しく話しながら歩いていたのにトイレの手前に着いた瞬間

先輩が立ち止まり下を向いたまま突然ぶつぶつと何かを言い出したんです。

先「△%●#□…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…」

俺「…先輩?ちょっと、先輩!」

何を話しかけても全く反応がありません。

…20秒くらいでしょうか?

いきなり立ち膝になる形で落ちたんです!!

先「………よし、もう大丈夫だ」

俺「えっ?なにが?」

先「1人トイレのところにたってたから少しよけてもらうように頼んだんだ」

俺「あ〜そうなんですか…ってなら心霊写真撮れないじゃないですか!!」

先「あっ、悪い…」

しょうがないのでトイレは諦めて今度は滝の方へ向かいました。

今回のメンバーは俺以外みんな霊感のある人だったので

階段を下りる最中ずっと色んな所から見られてると言ってました。

1番下まで行き、引き返そうと階段を上り始めたとき

また先輩の動きが止まったんです。

今度はしゃがみ込んだまま動きません。

10秒くらいみんな呆然としていました。

すると…

先「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

一同「!?!?」

先「早くここから逃げるぞ!

早くしないと囲まれる!!!」

わけもわからず全員で階段を駆け上がりました。

ところが走り出してすぐ

彼女「ちょっと待って!!サンダルが壊れた!!!」

って言うんです。

しょうがないから彼女をおぶって階段を上り

すぐ車に乗り込みました。

みんなでぜぇぜぇ息を切らしながら一体何があったのか先輩に聞いてみました。

先「最初はみんな周りからこっちの様子を伺ってるだけだったんだけど、いきなり何体もの霊が俺らの方に集まって来たんだ」

って。

先「でもあいつら階段の1番上からこっちには来れないみたいだな。階段のところで止まってる」

って。

その後壊れたっていうサンダルを見てみたらサンダルの紐が根元から抜けたとかじゃなくて

中途半端な位置から千切れてたんです…。

その日は時間が時間だったのでそのまま帰りました。

後日、最初に滝に行ったときの写真が出来上がり

何か写ってるかなって軽い気持ちで眺めてたんです。

するとある1枚の写真で手が止まりました。

それは帰ってきてから部屋で撮った写真だったのですが

なにやら様子がおかしいんです。

たぶん俺と彼女がソファに座ってて

テーブルを挟んで向かいの窓の前の床にいとこカップルが座ってて

そのいとこ達を彼女が撮った写真なんですが…

部屋の全てが写ってるんです!

いとこ達が写ってるのはもちろんですが

俺の後ろの壁も左右の壁も全てが薄くなってごちゃごちゃに混ざって写ってるんですよ。

しかも日が経つにつれて写真の左下の方に顔が増えていき

なおかつ俺の体に穴があいてどんどん体が消えて行くんです。

先輩に見せた所体に穴があいてるのはそんなに気にならないがいとこの身に何かもめ事が起こるんじゃないかってことでした。

それよりトイレを撮った写真に入り口に足を向けて

奥に頭を向けて男がうつ伏せで倒れてるって…

あとトイレの周りを撮ったやつにも木に縄掛けて首吊ってるスーツ姿の男が写ってるって…

俺には全然わかりませんでした。

関係あるのかわかりませんが2年以上付き合ってたいとこカップルがそれから暫くして破局してしまいました。

俺は彼女とその写真をどう処分するか悩んでいたのですが

ある日写真をテーブルに置いたまま出かけて

うちに帰ったら飼ってる犬にビリビリに裂かれてたのでそのまま捨てちゃいました。

ちなみに仕事で知り合ったお客さんが若い時だから

今から30年位前?に平○の滝に肝試しに行ったらしいんですがその時に滝に下りて行く階段の踊り場でリアルに手すりから縄掛けて死んでる人の第一発見者になって言ってました。

本当に自殺してる人いるんですね…。

長文失礼しました。

そのうち機会があったら先輩が体験した怖い話や他の心霊スポットに行った話も書きますね。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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