短編2
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赤い服

私は、ちょっとだけ霊感がありますが、

そこまでスゴく怖い体験は…たぶん。したことがありません。

ただ仲間内では、どうしても霊体験の話題になり、よく体験談を話し合います。

今日は私が、とても印象に残ってる専門の時の友人、えりちゃん(仮)の体験談です。

えりちゃんが高校受験の時、毎晩勉強して夜中に寝てたんだって。当たり前ですが…。

それで、興奮で寝付けなくてイライラしながらも目を閉じて寝ようとしてたらしい。

でもウトウトしそうになると、体の先から硬直し始めて…金縛り。

特に何かがあったわけではないんだけど、それが毎晩続いたんだってね。。

受験勉強の疲れと、プレッシャーとで「しょうがない…」と思ってたみたいなんだけど。えりちゃんは内心ウンザリ。

ある晩…

えりちゃんが横向きで寝ていると、始まったの金縛りが…ピリピリ…って体の先から硬直してきて、「またかょ…寝かしてょ…」って思った瞬間…

布団の中に、えりちゃんの背中にぺったりついて何かがいる…

背中に寄りそうように、頭まで布団をかぶってくっついてるんだって。

パニクっても、動けなくて、失神寸前の時

えりちゃんにぴっとりくっつきながら耳元で声をかけてきたんだって…

「ねぇ…」

もう、動けない恐怖ってなかったって。

前進ぞわぞわしたって。

えりちゃん、何も言えないのに、

繰り返してくんだって。

「ねぇ…」

「ねぇ…」

「ねぇ…」

「ねぇ…覚えてる?」

「ねぇ…私…を…覚えてる?」

えりちゃん、もう限界で思い切り叫んだんだって

「覚えてない!!」

かろうじて、声が出て叫べたんだって。

そしたら…

「…」

「…」

「…一緒に…赤いお揃いの服着て遊んだじゃない…」

すんごく近くでささやいて。

えりちゃん、そのまま失神したまま寝てしまってたらしい。

次の朝、どうしても夕べのことがひっかかって、母親に聞いたんだって。

「お母さん、ちいさい頃、私によく遊んだような友達いた?」

「う~ん特にはねぇ~」

「赤い服…お揃いで着てたような…子」

「う~ん、赤い服?母さん記憶ないなぁ。」

それでもあきらめきれなくて、

古いアルバム全部出してもらって、一枚一枚見てったんだってね。

そしたら、あったんだって…

一枚だけ…

赤い着物を着た自分とお雛様

写真の中でえりちゃん満面な笑顔して写ってたんだって。

毎年出さなきゃダメですね

怖い話投稿:ホラーテラー にゃんさん  

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