短編2
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電話ボックスの男

携帯電話のおかげで最近はずいぶん減りましたが、

12年前に変なものを見て以来、私は電話ボックスが苦手です。

当時、私は中学2年生でした。

北日本の田舎町で、学校から家まではおよそ半キロありましたが、

友人とまったり話すのが好きな私はいつも徒歩通学派。

一番ご近所の友人と別れると、自宅までは100メートルとない住宅街で

不審者の心配もそれほど深刻に考えたことはありませんでした。

その日はバレー部の練習が長引き、帰り道についたのは夜8時頃。

初雪が近いと感じさせる寒い季節で、

自販機で買ったコーンポタージュを数人で回し飲みして帰り道を歩きました。

友人たちと別れ、一人になると、

最後の一口を譲ってもらったポタージュの空き缶を手にぶらぶら、

自宅近くの小さくさびれた公園の横を通りました。

夜の公園に入る気はありませんでしたが、なんとなく、

「そういえばここ、空き缶捨てるクズカゴあったけ?」と思い見回すと、

自分の歩く道とはちょうど反対側の出入り口にある

電話ボックスの明かりとその中で動く人影が目に入りました。

ウィンドブレーカーを着て野球帽をかぶったようなシルエットで、

体格的に年配の男性のような雰囲気だったと思います。

もぞもぞ動く影はボックスの内壁に手を押し付け、

体はこちらを正面に、頭は天井の四隅を舐めるように覗きこんでいます。

その動きが不気味で怖く、すぐ立ち去ろうとしたのですが、

電話ボックスの明かりに顔が照らされ、悪寒が走りました。

顔のあるべき場所が後頭部、

頭だけ180度反対向きだったのです。

顔がわかるギリギリくらいの距離だったので見間違いかもしれません。

(見間違いだと信じたいです)

あるいはカツラを顔面につけたイタズラだったのかもしれません。

もしもその男が、次の瞬間、

電話ボックスの隅から私に興味を変えたら……

と嫌な想像をしてしまい

脇目もふらずに全力疾走で逃げ帰りました。

それ以来、その男を見ることはありませんでしたが、

どこを歩いていても電話ボックスを見るのが嫌になりました。

拙い文章ですみません。m(_ _)m

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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