怖い物好きな僕は、いつものように、古本屋で怖い本を探していた。
なかなか面白そうな本が見つからず店の中を、うろうろしていると、ふと、棚の上にある本が目に止まった。
手に取って見て見ると、それは真っ黒な背表紙に赤い文字で、
「黒い本~警告~」
と書かれていた。
本には、作者の名前も出版先も印刷されてなかった。
(をを!これは…)
僕は、掘り出し物を見つけた気分で、その本を買い家に帰った。
その夜、あらかたテレビも見終わって、本でも見ながら寝ようと思い、買った本を取り出した。
今の古本は、立ち読み防止のため、ご丁寧にビニールで梱包されているので、僕はビニールを破り捨て、本を取り出そうとした。
その時、本から一枚の便箋が落ちてきた。
真っ白な便箋だ。
便箋を開くと、何やら手紙らしき文が書かれていた。
拝啓
秋の涼しさを感じる今日この頃、あなたはいかがお過ごしですか?
相変わらず、恐怖の類いを探し回っているのでしょうね…
退屈な日常、今ある現実、あなたにとって人生とは時間を消費するものだけなのでしょうか?
少しでも、何か刺激を…
そんな気持ちで、恐怖を探しているのでしょうね。
だけど私は、あなたが迷惑なのです。
あなたが何をしてくれますか?
私を見て、ただ面白可笑しく騒ぐだけなのでは?
私の苦しい思いも、一人きりの孤独も、何一つ理解しようともしてくれないのでしょう…
そこで私は、あなたに警告をしようと考えました。
本当の恐怖を知りたいなら念じなさい…
望み通り、あなたの所へ行きましょう…
では、後ほど…
手紙には、こう書かれていた。
僕は、
「なかなか変わった趣向だな。なるほど面白そうだ!」
と、ワクワクしていたが、便箋の裏を見て、心臓が止まりそうになった…
便箋の裏には、僕の氏名が書かれていたのである…
僕は、少しパニック状態になり、
「何?何?なんで?なんで…」
急いで、黒い本の出版先や作者を探そうと、(黒い本)を開いた…
黒い本は、全て白紙だった…
いや…最後のページに一文だけ書かれてあった…
念じなさい……と。
僕は、必死で念じた。毛布を頭からかぶり、必死で念じた…
もちろん、
(こないでくれ…こないでくれ…)と。
すいません続きます…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話