毛布を頭からかぶり、
(こないでくれ…こないでくれ…)
と、念じた。
しかし、その念を嘲笑うかのように、玄関からチャイムの音が聞こえた…
尋常な音じゃない…
普通は(ピンポーン)と鳴るのだが、
今聞こえる音は、
(ピルルルルルルルルルル…)
と鳴っているのだ。
まるで本当に何かの警報音みたいに…
その音は次第に高い音へと変わっていった。
耳をつんざくような高音に変わった時、僕は叫んだ。
「こないでくれえええええ!」
しばらくするとチャイムの音はピタリと止んだ。
ガタガタ震える僕と、静寂だけが部屋に残った…
どれくらい時間がたったのか…
5分なのか、30分なのか、僕は毛布の中でガタガタ震えながら、ある事を必死で思い出していた。
(玄関のカギ閉めたっけ…)
相手がもし霊的な存在であるのなら、玄関のカギが開いていようと閉まっていようと関係ないのは分かっていたのだが、その時は玄関のカギが開いていることが、ものすごい恐怖に感じられたのだ。
僕は、恐る恐る廊下の向こうにある、玄関のドアを見て見た。
そして僕は、本当の警告の意味を知ることになった…
玄関のドアから伸びた、2本の白い手は、僕を呼び寄せるようにゆらゆらと手招いていた…
それはまるで、スローモーションのようにゆっくりゆっくり僕の方に伸びてくる…
僕は意識を失った…
朝、目覚めると黒い本はなくなっていた。
だけど、これが夢でなかったことはすぐに分かった。
黒い本に挟まっていた僕宛ての手紙が残っていたからである…
僕は、この警告をしっかり受け止め、そして少しでも多くの人に、この警告を知ってもらいたかったので、投稿を決意しました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話