これは、仏教大学を出て、山に籠り、悟りを得たと言うホームレスのおじさんから聞いた話。
おじさんが言うには、
「人間死ぬと、輪廻を辿ることになる。
天国に行き輪廻を待つ者、現世に留まり輪廻を拒む者、地獄へ落ち浄化されてから輪廻を待つ者、この3つに分けられる。
天国行きは、それはもう優雅に輪廻を待つわなあ!
現世に残る者は、幽霊だわなあ!
でな、地獄に落ちる者はよ、″蚊″になってしまうんだわ!
生前に犯した罪の大きさに比例してな、人間の血を吸わなならん!
そうしないと輪廻を辿れないからな。
そりゃあもう必死で血を吸うわな。
だが、大抵叩き潰されちまう。
蚊になったのによ、痛みは人間と一緒なんだ。
何年も何年も叩き潰されちゃあ蘇り、また潰されちゃあ蘇り、まさに地獄やね。
だけどよ、″蚊″は潰さにゃならん。
それだけ悪いことをしたんだからなあ。」
その話を聞いた帰り道、僕の腕に蚊が止まった。
ピシャリと蚊を叩くと、どこかで吸ってきた他人の血が僕の腕にこびりついた…
血まみれの蚊はぺしゃんこに潰れていた。
それを見て僕は呟いた。
「気持ちわる…」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話