中編3
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三角座り

読みづらいです。

初投降なので、細かいことは気にしない方のみ読んでみてください。

最近はあまり見ない。

見えるのには時期とか

年とか関係あるのかな。

そう言えば、、、

こないだ引っ越しの為に家を見てまわった時のあの部屋はこわかった。

押し入れに何かがいた。

黒いなにかが。

形のない黒いなにか。

怖かったので速攻部屋を出た。

もういいですか?

はい。

説明を受ける時間もなく、

トイレや風呂も見ずに。

不動産の人も何も言わなかった。

昔はよく見た。

形あるものから、

形ないものまで。

形ないもので、

怖くないのは白いもの。

形ないもので、

怖いのは黒いもの。

黒いものは怖い。

殺意を感じる。

首を絞められそうになった事もある。

黒い壁から黒い何かの手が出てきて時は本当にこわかった。

今まで見た中で、

一番はっきり見てしまった形あるものの話。

十年くらい前に友達と

他府県に車で遊びに行った小旅行の帰り道。

地元に戻ってきて友達を送り、

家までの道を走っていた。

遊び疲れ、家に向かうころには陽がのぼり、

朝が来ていた。

眠たい中で、目をさましながら車を走らせていた。

途中ウトウトしてしまい、

道の真ん中の車線をわけるデコボコしたところを走り意識を取り戻したり。

とにかく眠かった。

正直、今思うと本当に事故にならなかったのが不思議だ。

かなり眠たかったので仮眠を取ろうか迷った。

家までは後少しだったので寒い日にもかかわらず窓を開け、

目を覚ましながら帰ることにした。 

眠たくなったり、目がさめたり。 

そんな波の中で眠さのビッグウェーブにおそわれた。

そのとき、道の真ん中で三角座りをしている男性が見えた。

気付いた時には三十メートルくらい先。

忘れもしない。

白いTシャツに茶色のパンツ。

何してんだよ!

道の真ん中でこいつは!

そんなことを考える余裕はなかった。

ぶつかる!

どうしよう! 

ただそれだけ。

事故にあった事がある人はわかると思う。

事故の瞬間は時間の流れがゆっくりになる。 

その時もゆっくり時間が流れていった。

とっさの急ブレーキ。

間に合わないという焦り。

近づく男性との距離。

ゆっくりな時間の中で少しづつ。

不思議なことに三角座りをしている男性は車が止まるまでの間、

車にあわせて一緒に進んでいるかと思うくらいに。

少しづつ、

少しづつ、

距離をつめた。 

車が止まった時には三角座りをしている男性は消えていた。

人間ではなかった。 

もちろん道路の真ん中で三角座りをしている人なんているはずもない。 

恐怖と興奮で目がさめた。

家までの道のりはしっかり起きたままでの安全運転ができた。

無事に家に着き、

とりあえず寝た。 

夕方起きてから友達に電話をし、

帰り道での出来事を話した。 

友達はきっと事故から守ってくれたんだよ。と。

私もそう思った。 

無事に帰れたことに感謝した。 

それから半年が過ぎた頃。

その友達と一緒に車で走っていたときにたまたまその道を走っていた。

そうそう!

前に話した三角座りをしている男性を見たのはちょうどここ!

そう言って指をさした指の先の道路の脇には大きな木があった。

木には小さな鳥居がぶら下がっていた。

びっくりした。

なぜ大きな木に鳥居がぶら下がっていたのかはわからない。

だがきっと、この何かが守ってくれた。 

それから木の前の道を通るときにはありがとうございました。

と、言うようにしている。

そこにあった、ちょうどここ!の鳥居。

不思議な体験だった。

今、生きていることに感謝する。 

何の為に生きているかではなく、

生きているからこそ何が出来るのか。

そう思うようになった。

生きているかぎり何かが出来る。

今、生きている。

生きていることに感謝する。

ありがとう。

怖い話投稿:ホラーテラー 鳩時計さん  

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