中編4
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カタカタ

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

耳障りな

キーボードを叩く音で目を覚ました

自分はベッドの上で寝ていて

真っ暗な部屋の中にノートパソコンの画面の灯りだけが光っていた

此処は、自分の部屋

ベッドからパソコンが置いてあるテーブルまでは

なんの障害物もなく

ノートパソコンに向かっているのは

自分だとわかった。

自分と同じ顔をした人

でも、その人は自分は持っていない服を着ていた

黒のハイネックの長袖に、ジーンズを穿いている。

自分は首に何かがまとわりつくのが嫌いで

マフラーもネックレスの類もつけない。

だから、ハイネックの服なんて持ってない。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

尚も続くキーボードの音

一定の何かを打ち込む音

体が動かない

あぁ、これが金縛りってヤツかな…

頭の隅で呑気なことを考えていた

今思うと驚く程冷静だった

意識ははっきりしていた

目も開けていた

自分と同じ顔の人が、只黙々と真っ暗な部屋でパソコンに向かっている

そんな異様な光景に

一声もあげず

ただ、ただ、見つめていただけ

そして

何と打ち込んでいるのか気になった

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

相変わらず一定の動きを繰り返す指

画面に目を凝らす

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

そこで、やっと不気味だと思った。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

ずっと、目を覚ましてから

もう30分程はこうしている

と、考えていたら

ガタン

いきなり、その人が立ち上がった

そして

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

奇声をあげはじめた

なんの抑揚も無く

叫ぶというのとも違う

普通に話す程度の音量で

ただ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

怖い

必死に寝たフリを続ける

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー尚も続く奇声

いつ息継ぎをしているのか

一度も途切れることなく続いている

あーーーーーーーーーー

キィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

耳鳴りがし始めた

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

相変わらず息継ぎはしていない

もう、5分も10分も経ったかというのに

あーーーーーーーーーー

怖い

キィーーーーーーーーーーン

怖い怖い怖い怖い怖い怖い

寝返りを打つフリをして布団を被ろうと

身じろいだ瞬間

その人がこっちを向いた

やっぱり自分と同じ顔をしている

目をカッと見開いて

奇声も止んだ

こっちを見ている

目を瞑って寝たフリ

それでも感じる

視線

ペタッ

ペタペタ

ペタペタペタ

足音

裸足でフローリングを歩く音

近付いてくる

震える歯を食い縛り

バレないように

気付かれないように

ペタペタペタペタペタペタそんなに広くない部屋なのに

妙に足音が長い

ペタペタペタ

ペタペタペタ

…シィン

足音が止まった

感じる

気配

居る

見られてる

すぐ、近くで

怖い

視線

感じる

どのくらいそうしていただろうか

もしかしたら、いつの間にか気を失っていたのかもしれない

ふっ と

気が付いた時には

視線を感じなかった

むしろ、気配も無かった

耳を澄まし

居ない

と確信を持った

そして、目を開くと

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

居た

あかさたなはまやらなかあはさに

真上で見ていたんだ

元からあまり美形とは言えない顔を

ニィィッと不気味な程歪ませて

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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