短編2
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空白の5日間

三年前に僕の身に起こった話をしたいと思う。オチ無し、文章下手だけど許して下さい

僕は高校二年生だった。季節は夏、学校祭の準備で校内は賑わっていたのだけれど、僕はずっと独りで屋上に居た。他人の心が分からなかった僕は、軽い引きこもりだった。

僕の特技は自分の世界を作り上げること。つまり妄想癖だった。

屋上に籠もったら、景色を脳に焼き付けて目を閉じる。

小一時間の理想世界を満喫することが僕の唯一の生きがいだった。

僕が死にかけたその日、その日も同じだった。

目を閉じて息を吸い込む。

突然耳の横でジャリッという音がする

びっくりして飛び起きると当たりは真っ暗だった。グラウンドと街頭だけは付いていたかもしれない、あまりの事に僕は気が動転していた。屋上を歩いて様子を見てみる。足は恐怖でガクガクしていた。明らかに街は静か過ぎて、おかしかった。

気付くと、屋上には鳩が一匹座っている。周りには血が広がっていたので、死んでいるのが分かった。鳩には首が無く、切り口だけが光を反射して嫌な光り方をしている。

後ろでまたジャリッという音がして、僕は体が凍りついた。恐る恐る顔を振り向けると、そこには、鳩の首だけが、何十匹もこちらを見つめていた。

僕は逃げた。屋上の錆び付いた扉を越え、そこから三階、二階…

突然廊下の窓ガラスが吹き飛び、粉々になった。

慌てて一階に降りようとしたけれど、あるはずの階段が無かった。

ジャリッという音がまた聞こえる。

僕はとっさに割れたガラスの破片を手にとって教室に逃げ込み、鍵を掛け、教壇の中へ隠れた。

そこからが地獄だった。

相変わらず外は暗いままなのに、とてつもなく長い時間が過ぎた。おかしいと思うかもしれないけど、何度か眠くなった。

そのたびに僕は自分の左手をガラスで切りつけて外の音に集中した。

いつの間にか寝てしまっていたのだろうか、ハッと目を覚ました。するとそこは病院だった。

医者がやってきて言う。僕は屋上から飛び降りたのだと。精神科を紹介すると。

医者は僕の左腕を指差して、いつから自傷癖があるのかと聞いた。

僕は自分の左腕を見た。

そこには、深く切りつけた古傷が、手のひらから肩まで続いていた。もちろん、あの日より前にそんな傷は無かった。

僕の街では鳩が殺される事件がそれから続いた。殺された鳩には首がなかった。

僕も殺されてたのだろうか。

怖い話投稿:ホラーテラー 籠さん  

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