中編3
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霊柩車

たいして怖くはないかもしれません。

期待はずれだったらごめんなさい。

私は高校を卒業してすぐ仙台の専門学校に進学したため仙台の国見と言う所で一人暮らしをしていました。

一人暮らしを始めてしばらくしたころ妙なことに気づいたのです。

それは私が暮らしているアパートの前の道を毎日霊柩車が通るのです。

気味が悪くなった私はそのことを同じクラスの子に話しました。(その子は地元が仙台なので国見についてよく知っていました)

すると

「あぁ、それはね、あの道をずーっと上にのぼって行った所に火葬場があるからだよ。でも確か今は使われてないはずじゃなかったかなぁ…」

それだけでもびびっていた私をさらにどん底に突き落とすようなことを友人はつけ加えました。

「しかも国見は葛岡と北山に挟まれて霊道になってるからね。」

そうなんです。

国見には電車が通っていて駅があり終点が仙台になっています。

葛岡→国見→北山→いくつか駅があり→仙台というように。

葛岡と北山にはかなり大きな霊園があり間に挟まれている国見は霊道になっているということでした。

しかし当時の彼氏がよく泊まりにきていたのでさほど怖いとも思わず霊柩車のことも忘れかけていました。

そんなある日。

学校の体育の授業でグランドに行くことになり、そのグランドは学校と少し離れた所にあるということで歩くことになりました。

言いわすれていましたが学校も国見にあり(仙台市国見なので)私のアパートは学校のすぐ裏にありました。

すると先生は私のアパートの前の道をずーっと上にのぼっていきます。

私は友人から聞いた火葬場の話を思いだし、どうせなら本当に火葬場があるか確かめようとしました。

しかしいくら行っても火葬場などありませんでした。

先生はどんどん道をそれて山道を歩いていきます。

そして道端に小学生ぐらいの男の子がたっていました。

「こんなところでどうしたの?」

話しかけても男の子は私をにらみつけるばかり。

するとすぐ近くにあった家の中に入っていきました。

あとからきた友人に「どうしたの?」と話しかけられ家の方を指して私が説明しようとするとさっきまでは普通の家だったのにボロボロの小屋になっていてとても人が住んでいるような建物ではなくなっていました。

私は「なんでもない」と先生のあとをおってグランドに行きました。

授業が終わり、また私のアパートの前の道を下っているといつもの霊柩車が通っていったのです。

ちょうど国見に一人暮らしをしている友人と歩いていたので「また通ったね霊柩車。やだね」と話しかけると「えっ!?なにも通ってないよ」それどころか国見で霊柩車など1度も見たことがないとその子は言うのです。

同じ学校で同じクラスの子なので学校帰りの時間はいつも一緒のはず。

では私が見ていた霊柩車とは…?

あの男の子が言いたかったこととは…?

今でも謎のままです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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