(ピンポン・ピンポン)
久しぶりの休日の朝、チャイムの音に起こされた俺は不機嫌だった。
「誰だよ、こんな朝早くよ…」
「すいませーん、宅配便でーす!」
遠慮のない声が玄関から聞こえた。
「全く…」
俺は渋々起き上がり、宅配物を受け取りに行った。
受け取った小包に俺は心あたりがなかった。
差出人は″〇×駅″となっていた。
「俺に?毎日ご利用頂きありがとう!てか?」
無造作に小包を机の上に置き、包装紙をやぶいた。
箱の大きさからいって、スイカとかメロンとか、まあそんな物だろう。
箱の中から、ビニールで梱包された物が出てきた。
「ずいぶんご丁寧な事だ…」
俺は、ビニールをひっぱり上げた。
ゴロゴロと机に贈り物が転がった。
それを見て、俺は目を疑った…
そして、錯覚じゃないことを理解すると悲鳴をあげていた…
「うわあああああ!!」
それは、女の首から上…つまり女の頭部だった…
ダラーンと舌を垂らして、見開いた目が俺を見つめている…
「綾子…!」
その顔に見覚えがあった。
3日前、俺が一方的に別れを告げた女だった。
別れ際に
「絶対後悔させてやるから!」
そう言い残して去って行った女…
俺は震える手で警察に電話をかけた…
警察はすぐにきた。
俺は警察署に呼ばれ、そこで刑事に、綾子との関係、頭部が届いた時間など、全てを聞かれた。
俺は一つだけ疑問に思っていた事を刑事に聞いた。
「どうやったら自分の頭だけを送ることができるんですか…
これは共犯者とかがいるのですか?」
すると刑事は、難しい顔して答えた。
「そうなんですがね…実は綾子さん、おとといに″〇×″駅で電車に身を投げて自殺してるんですよ…
頭部以外は全て見つかったのですが…
頭部だけが見つからず、我々も協力して探していた所なんですよ…」
刑事の話を聞きながら、俺は見開いた目で俺を睨み付けてる綾子の頭部を思い出していた…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話